
起業直後の会社や、赤字決算の会社であれば、少しでもコストが安い、年会費無料の法人カードを選ぶことは決して間違えではありません。しかし、それ以外の会社の経営者であれば、年会費無料の法人カードは選びべきではありません。その理由を解説します。
目次
年会費無料の法人カードを選ぶべきではない理由

- 起業直後の法人経営者、個人事業主
- 赤字決算の法人経営者、個人事業主
→ 年会費永年無料の法人カードがおすすめ
ですが・・・
- 上記以外の法人経営者、個人事業主
→ 年会費無料の法人カードはおすすめしません。
その理由を解説します。
理由その1.年会費無料の法人カードよりも、年会費有料の法人カードの方がお得!
例えば
年会費永年無料の法人カード「ライフカードビジネスライト(スタンダード)/一般カード」
- 年会費:永年無料
- ポイント付与:なし
- キャンペーン:なし
年会費格安の法人ゴールドカード「EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)」
- 年会費:初年度無料、2,000円(税別)
- ポイント付与:あり、ポイント還元率0.5%
- キャンペーン:4000円分のポイント(※2018年5月時点)
です。
法人カードの利用額が月10万円だと仮定した場合
「ライフカードビジネスライト(スタンダード)/一般カード」
「EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)」
お得額 = キャンペーン:4,000円 + ポイント:6,000円(年間120万円 × 0.5%) - 年会費:2,000円 = +8,000円
となります。
法人カードであれば、インターネットの広告宣伝費をクレジットカード決済しただけで、月10万円は軽く超えてしまいます。
- 広告宣伝費
- 光回線
- 電話代
- 消耗品
- 事務用品
- ガソリン代
- ETC料金
・・・
と利用すれば、中小企業、零細企業であっても、月10万円どころではなく、月50万円ぐらいのカード利用があってもおかしくないのです。
ただし、最近ではポイント還元率の高い年会費無料の法人カードも登場してきているので、合わせてチェックしましょう。
理由その2.法人カードには経営者のイメージを左右する力がある!
あなたが何の関係もない経営者に接待を受けたときに
- 「支払いで見たことのない一般カードで会計をしている社長A氏」
- 「アメックスのゴールドカードで会計をしている社長B氏」
を見たときに、どう思うでしょうか?
多くの方が

と思うかと思います。
ビジネスの世界では
と考える経営者が少なくありません。
- お金持ちの会社の方が支払いが良い
- お金持ちの会社の方が支払いのトラブルが起こらない
- お金持ちの会社の方がクレームが少ない
- お金持ちの会社の方がより大きな商談に拡大する可能性が高い
- お金持ちの会社の方が経営者の人脈が広い
・・・
という実体験があるからです。
当然、法人カードのランクだけで「その会社がもうかっているかどうか」をジャッジするわけではありませんが・・・
イメージとしては、確実に「Bさんの会社の方が儲かっているように」インプットされるのです。
アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カードの場合
その会社の商品の単価が10万円なのか、100万円なのか、1000万円なのか、わかりませんが・・・
たった、年間31,000円(税別)の年会費コストで商談の成功率が上がる可能性が高いのです。
また、この効果は接待のみに限りません。従業員からのイメージも、含まれるのです。
社長と従業員との会社の飲み会で
- 「支払いで見たことのない一般カードで会計をしている社長A氏」
- 「アメックスのゴールドカードで会計をしている社長B氏」
を見たら、どちらの社長に憧れを抱くでしょうか?
どう考えても、経営者以上に法人カードの知識がない従業員は
社長A氏を見れば

社長B氏を見れば

と短絡的に思う可能性があるのです。

当然、10人が10人そう思うわけではありませんが、
10人に1人でも、上記のように感じて、会社を辞めてしまったら・・・それは社員1人分の採用コスト数十万円分の損失になるのです。
教育コストも含めれば、さらに損失は広がります。
年会費:31,000円(税別)のコストで、社員が辞める可能性を少しでも下げられるのであれば、高い出費とは言えません。
このようにイメージは、明確な数値には換算できないものの、十分に利益や損失となって返ってくる可能性があるのです。
経営者は「誰からも色々な角度でチェックされているもの」と考えれば、たかが法人カードと言っても、自己ブランディングのために、年会費が高額なステイタス性の高い法人カードを選ぶべきなのです。
理由その3.年会費が高額な法人カードには、直接的な割引サービスも多い
法人カードで代表的な優待サービスと言えば
「レストランのコース料理1名分無料」
です。
ですが
例えば
ダイナースクラブビジネスカードの場合
エグゼクティブ ダイニングというサービスが付帯されています。


エグゼクティブ ダイニングでは、1人名様10,000円~15,000円のレストランが優待サービスの対象になっています。
仮に、月1回
- 取引先との接待
- 役員との会食
- 従業員との会食
- デート
で利用しただけでも・・・
ダイナースクラブビジネスカードの年会費:27,000円(税別)
になるので、元を取るどころか、何倍ものお得になるのです。
これ以外にも
- レストラン優待
- ホテル優待
- ゴルフ場優待
- クルーズ優待
- 航空券優待
- スパ・フィットネス・ジム優待
- レンタカー優待
- ビジネス用品優待
- 福利厚生優待
・・・
など、様々な優待サービスが用意されています。
年会費が高額なほど、特典が大きい優待サービスが用意されているのです。
つまり
理由その4.年会費が高額な法人カードは出張に強い!
年会費が高額な法人カードには
- 国内空港ラウンジが無料利用できる
- 海外空港ラウンジが無料利用できる「プライオリティ・パス」付帯
という特典があります。
飛行機での出張が多い経営者の場合は、空港の待ち時間も有効活用すべきです。
- 落ち着けるデスクがあるスペースで
- 軽食が食べられて
- インターネットができて
- プリンターもある

また、年会費が高額な法人カードには
- 空港からの手荷物宅配無料
という特典もついています。

年会費が高額な法人カードには
- 海外旅行傷害保険
- 海外旅行傷害保険の家族特約
- 海外旅行傷害保険の航空機遅延保険
- 海外旅行傷害保険の手荷物紛失保険
- 国内旅行傷害保険
などが付帯されています。
海外旅行傷害保険の最高1億円といった、死亡時の保障などは、使う機会が少ないので、それほど大きな意味を持ちませんが・・・
- 保険の使えない海外でのケガや病気
- 飛行機の遅延
- 手荷物の紛失
は、それなりに出会う確率の高い海外トラブルです。

家族特約があれば、法人カードであっても、海外に家族旅行したときに家族のケガや病気にも適用できます。
経営者の1時間あたりの時給を計算すれば
年会費無料の法人カードよりも、空港ラウンジや手荷物宅配など出張時のサービスが多く付帯されている年会費が高額な法人カードの方が何倍も、メリットがあることがわかるはずです。
その上、海外出張時のケガや病気、飛行機トラブルの損害も補償してくれるのですから、メリットはたくさんあるのです。
理由その5.年会費が高額な法人カードはショッピング保険が手厚い!
ショッピング保険とは
を言います。
補償の対象外になるのは
- 自転車、自動車、船舶、サーフボードなど
- 食品
- 動植物
- 義歯、コンタクトレンズ
- 切手や乗車券など
- 設計書、図案など
- スマートフォン
などがありますが・・・
法人カードで想定される高額な買い物である
- デスク
- イス
- ソファー
- パソコン
- スキャナー
- プリンター
- 電話機
- ラック
・・・
などはショッピング保険の対象になります。
会社で利用するとなると、1つではなく、複数個の商品を購入することになります。
- 購入額も高額になる
- 複数の商品を購入する
のですから、「故障や破損」リスクは、個人利用時よりも大きくなるのです。
考察

年会費無料の法人カードは
使わなくても、使っても、絶対にコストが発生しない
というメリットがあります。
そのため、絶対にコスト負担を避けるべき
- 起業直後の法人経営者、個人事業主
- 赤字決算の法人経営者、個人事業主
には、年会費永年無料の法人カードをおすすめします。
しかし、それ以外の法人経営者、個人事業主の場合には、年会費が高額な法人カードをおすすめします。
その理由は
収益面
- ステイタス性のある法人カードの方が対外的なイメージが上がる
- ステイタス性のある法人カードの方が従業員のモチベーションが上がる
- 年会費が高額な法人カードの方がポイント還元率も高く、利用額によっては、お得になる
- 優待サービスが多く付帯されているため、年会費以上の特典が享受できる
- 空港での持ち時間も、ラウンジ利用で仕事の時間として有効活用できる
リスクヘッジ
- 海外旅行時のケガや病気への補償がある
- 海外旅行時の航空機遅延への補償がある
- 海外旅行時の手荷物紛失への補償がある
- 家族と海外旅行をするときに家族特約が利用できる
- 国内旅行時のケガや病気への補償がある
- 法人カードで買い物をした商品の破損・盗難が保証される
というメリットがあります。

年会費が高額な法人カードといっても、年会費は2万円~3万円程度です。
月の負担としては、2千円程度ですので、会社経営のコストとしては、大したことない金額と言っていいでしょう。
月2千円程度の負担額で
- 商談が決まる
- 社員のモチベーションが上がる
- レストランのコース料理が1名分無料になる
- 空港ラウンジで仕事ができる
- 海外出張でのケガや病気が保証される
- 海外旅行時には家族も補償の対象になる
- 高額な買い物の破損や盗難による損害が補償される
・・・
というメリットがあるのですから、
ということの意味がわかるはずです。
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