個人カードの感覚で「法人カードにも家族カードを付けたい」と考えると、途中で止まります。三井住友カードは、追加で発行するカードを家族カード・パートナーカード・ビジネスカード(使用者カード)の3つに分けて案内しており、家族カードの申込資格に従業員は入っていません。JCBも、カードの種類によっては家族カードの申し込みができない場合があるとしています。どの枠で誰に持たせるのかを、2社の公式案内で切り分けます。
三井住友カードの家族カードの申込資格は「生計を共にする配偶者、満18歳以上のお子さま(高校生を除く)、ご両親」。従業員は対象に含まれていません。
同社は追加カードの案内ページを家族カード/パートナーカード/ビジネスカード(使用者カード)の3タブに分けています。法人カードで人を足す枠は、家族カードではなく使用者カードの側です。
JCBの家族カードはMyJCBから申し込みですが、「カードの種類によっては、家族カードの申し込みができない場合があります」と明記されています。
さらにJCBは、カード番号が「354」からはじまり、表面右上に「BUSINESS」と表示のあるカードについて、MyJCBから申し込みができない場合はカード裏面に記載のカード発行会社へ問い合わせるよう案内しています。
追加カードの枠は3つに分かれている
三井住友カードの「家族カード・パートナーカード・ビジネスカード(使用者カード)」のページは、タイトルのとおり3つを並べた構成です。ページ上部のタブが、家族カード、パートナーカード、ビジネスカード(使用者カード)の3つに分かれています。
図1 三井住友カードが分けている3つの枠(同ページのタブ構成)
家族カード
本会員のカードの機能・サービスはそのままに、おトクな年会費で使える家族のためのカードと説明されています。
パートナーカード
家族カードと並ぶ枠として、別のタブで案内されています。
ビジネスカード(使用者カード)
法人カードで人を追加するときの枠です。ページ末尾には「法人カードのパートナー会員や使用者を追加する方法を教えてください」という案内へのリンクが置かれています。
ここが取り違えの起点です。個人カードでは家族に持たせるカードを「家族カード」と呼びますが、法人カードで従業員に持たせるカードは別の枠で扱われています。法人カードの追加カードそのものの仕組みは法人カードの追加カードとは?で扱っています。
家族カードの申込資格に従業員は入っていない
三井住友カードは、家族カードの申込資格を次のように書いています。
「生計を共にする配偶者、満18歳以上のお子さま(高校生を除く)、ご両親が対象となります。」
「本会員の方が学生の方の場合は配偶者の方に限らせていただきます。」
列挙されているのは配偶者・子・両親だけで、従業員や役員は入っていません。法人カードを持っている代表者が、家族カードの枠で社員にカードを渡すことはできない、という読み方になります。
加えて、券種についての制約もあります。「本会員の方のカードと同じ種類の家族カードのお申し込みとなります。本会員の方がお持ちのカードと異なる種類のカードはお申し込みいただけません」。本会員がゴールドなら家族カードもゴールド、という組み合わせになります。

家族カードは「作れないカード」がある
同じページの注意書きには、家族カードを申し込めないカードが列挙されています。券種によっては、そもそも枠自体が用意されていません。
| 区分 | 対象 |
|---|---|
| 個別に名指しされているもの | SMBC CARD Suica、エブリカード、三井住友カード プレミアムカードローン、三井住友カード プレミアムおまとめローン、三井住友カード Tile |
| 提携カード | ANA VISA Suicaカードなどの一部の提携カードは、家族カードの申し込みができない |
| 枚数の制限があるもの | ANAカードの家族カードは、発行枚数を制限する場合がある |
この一覧に法人カードの名前は出てきませんが、そもそも家族カードの申込資格が家族に限られているため、法人カードの使用者を増やす目的では別の枠を見ることになります。
家族カードの利用枠と支払口座は本会員にひも付く
法人カードの運用で気になる点も、家族カードのページに書かれています。
| 項目 | 書かれている内容 |
|---|---|
| 利用枠 | 本会員のご利用枠の範囲内で、本会員および家族会員の利用代金を合算した未決済残高として管理する |
| 支払口座 | 家族カードの利用代金は、本会員の支払口座からまとめて引き落とし |
| 利用代金明細書 | 本会員あてに送付される |
| ポイント | 家族カード利用分のポイントは本会員にまとめて付与(パーソナルアカウントタイプ、Visa LINE Payクレジットカードなど一部は別に付与) |
| 保険 | 本会員と同じ国内・海外旅行傷害保険やお買物安心保険が受けられる(一部利用できないサービスあり) |
| 年会費 | カードごとに異なるため、クレジットカード一覧で対象カードの「家族カード年会費」欄を確認する |
利用枠が「本会員の枠の範囲内で合算」という点は、法人カードで社員に持たせる場合の考え方とも共通します。枚数を増やしても総枠が増えるわけではありません。利用枠そのものの扱いは法人カードの利用枠は一時的に増やせる?で扱っています。
JCBは「BUSINESS表示のカード」を別扱いにしている
JCBのよくあるご質問(No.459「家族カード・パートナーカードの申し込み方法を教えてください。」)は、申込方法として会員専用WEBサービス「MyJCB」を案内しています。カードは申し込み後、約1〜2週間で登録の住所に届くとされています。
そのうえで、2つの但し書きが付いています。
図2 JCBの案内にある2つの但し書き(FAQ No.459)
- カードの種類によっては申し込みができない 「カードの種類によっては、家族カードの申し込みができない場合があります」と書かれています。券種で可否が分かれるということです。
- BUSINESS表示のカードは発行会社へ 「カード番号が『354』からはじまり、表面右上に『BUSINESS』と表示のあるカードをご利用の方で、MyJCBから申し込みができない場合は、カード裏面に記載のカード発行会社へお問い合わせください」とされています。
2つ目は、手元のカードを見れば自分が該当するか分かる書き方になっています。カード番号の先頭3桁と、券面右上の表示を確認すれば判別できます。JCBの法人カードの系統そのものはJCBの法人カードは3系統で整理しています。

では、誰にどの枠で持たせるのか
2社の案内を突き合わせると、使い分けの線はこうなります。
| 持たせたい相手 | 見る枠 | 根拠 |
|---|---|---|
| 配偶者・子・両親(生計を共にする家族) | 家族カード | 三井住友カードの家族カードの申込資格に列挙されている |
| 従業員・役員 | ビジネスカード(使用者カード)/追加カード | 三井住友カードは同ページの別タブで案内し、法人カードのパートナー会員や使用者を追加する方法へ誘導している |
| 個人事業主が配偶者に持たせたい | カードの種類による | JCBは「カードの種類によっては、家族カードの申し込みができない場合があります」としている |
実務では、法人カードの追加カードに切り替えるほうが管理が揃います。利用明細がまとまり、社員ごとの利用が分かれて見えるためです。経理側の扱いは法人カード利用規定の完全ガイドにまとめています。
よくある質問
- 法人カードに家族カードは付けられますか。
- 三井住友カードの家族カードの申込資格は「生計を共にする配偶者、満18歳以上のお子さま(高校生を除く)、ご両親」です。従業員は列挙されていません。同社は法人カードで人を追加する枠を、同じページの別タブ「ビジネスカード(使用者カード)」として案内しています。
- 家族カードの年会費はいくらですか。
- 三井住友カードは、家族カードの年会費はカードごとに異なるとして、クレジットカード一覧から対象カードを選び「家族カード年会費」欄を確認するよう案内しています。
- 家族カードを作ると利用枠は増えますか。
- 三井住友カードは「家族カードのご利用枠は、本会員のご利用枠の範囲内で、本会員およびご家族会員の方のご利用代金を合算した未決済残高として管理します」としています。
- JCBの法人カードで家族カードを申し込むには。
- JCBはMyJCBからの申し込みを案内しつつ、カードの種類によっては申し込みができない場合があるとしています。カード番号が「354」からはじまり表面右上に「BUSINESS」と表示のあるカードでMyJCBから申し込めない場合は、カード裏面に記載のカード発行会社へ問い合わせるよう書かれています。
- 本会員と違う種類の家族カードは作れますか。
- 三井住友カードは「本会員の方のカードと同じ種類の家族カードのお申し込みとなります。本会員の方がお持ちのカードと異なる種類のカードはお申し込みいただけません」としています。
まとめ
法人カードに家族カードを付けるという発想は、枠の名前から見直す必要があります。三井住友カードは追加カードを家族カード・パートナーカード・ビジネスカード(使用者カード)の3つに分け、家族カードの申込資格を配偶者・満18歳以上の子(高校生を除く)・両親としています。
従業員に持たせたい場合は、使用者カードや追加カードの側を見ます。家族カードは利用枠も支払口座も明細も本会員にひも付き、券種も本会員と同じものに限られるため、社員の経費管理には向きません。
JCBは、カードの種類によって家族カードを申し込めない場合があるとし、カード番号が「354」からはじまり券面右上に「BUSINESS」と表示のあるカードについては発行会社への問い合わせを案内しています。手元のカードの番号と券面表示を確認してから動くと、早く済みます。
参照した一次情報
- 三井住友カード「家族カード・パートナーカード・ビジネスカード(使用者カード)」https://www.smbc-card.com/mem/addcard/family_top.jsp(3つのタブ構成、家族カードの申込資格、本会員と同じ種類に限られること、家族カードを申し込めないカードの列挙、利用枠の合算管理、支払口座と明細の扱い、ポイントと保険、年会費の確認方法、法人カードのパートナー会員や使用者を追加する方法への導線)
- JCB「よくあるご質問」No.459「家族カード・パートナーカードの申し込み方法を教えてください。」https://j-faq.jcb.co.jp/faq/show/459?site_domain=default(MyJCBからの申し込み、到着まで約1〜2週間、カードの種類によっては申し込みができない場合があること、カード番号「354」始まりで表面右上に「BUSINESS」表示のカードの扱い)
- 三井住友カード「よくあるご質問 -法人カード」https://www.smbc-card.com/hojin/faq/index.jsp(法人カードに関する問い合わせ先の入口)
記載内容は2026年10月1日に各社の公式ページで表示されていたものです。申込資格・年会費・対象カードは変更されることがあります。個別の可否は、お持ちのカードの発行会社にご確認ください。










