法人カードの中には「プライオリティ・パス」というサービスが付帯されているものが少なくありません。今回は、プライオリティ・パス」のサービス内容・メリットデメリット・おすすめする活用術を徹底解説します。
「プライオリティ・パス」とは?
「プライオリティ・パス」とは
「プライオリティ・パス(Priority Pass)」は、空港ラウンジサービスを展開する企業名のことを言います。また、その会員の権利・カードのことを「プライオリティ・パス」と呼ぶこともあります。
「プライオリティ・パス(Priority Pass)」は空港や空港ターミナルビルと提携して、空港での保安検査場を過ぎた場所にラウンジを展開しています。クレジットカード会社の空港ラウンジは、保安検査場を通る前にあるので、保安検査場通過後の時間を過ごす場所として重宝されます。
また、143カ国の500都市以上にある1200か所以上に空港ラウンジを用意しているため、海外旅行の先々で空港ラウンジを利用できるメリットがあります。
「プライオリティ・パス(Priority Pass)」は、基本的には有料のサービスですが、クレジットカード利用者との親和性が高いため、クレジットカード会社が料金を肩代わりする形で、クレジットカード発行の特典として「プライオリティ・パス」を無料付帯させているのです。法人カードの中にも、「プライオリティ・パス」無料付帯のカードはあります。
「プライオリティ・パス」の空港ラウンジ
2019年1月時点
- 利用できる国:143カ国(500都市)
- 利用できる空港ラウンジ数:1200カ所以上
「プライオリティ・パス」の空港ラウンジでできること
- テレビを見る
- インターネットをする
- 軽食
- 飲み物
- アルコール飲料
- 新聞・雑誌を読む
- フライト情報を知る
- Wifiにつなぐ
- 充電する
- ファックスする
- 併設されたスパを利用する
- マッサージを利用する
「プライオリティ・パス」の料金表
会員ランク | 年会費 | 会員本人料金 | 同伴者料金 |
---|---|---|---|
スタンダード | US$99 | US$27 | US$27 |
スタンダード・プラス | US$249 | 無料利用10回、その後のご利用料金US$27 | US$27 |
プレステージ | US$399 | 全て無料 | US$27 |
「プライオリティ・パス」の使い方
手順その1.「プライオリティ・パス」のウェブサイトで使える空港ラウンジを確認する
手順その2.該当する空港ラウンジの場所に行く
手順その3.「プライオリティ・パス」を提示する
手順その4.利用人数の確認をする
ご本人と同伴者では、費用体系が異なるので注意が必要です。
手順その5.利用明細(バウチャー)へサインする
「プライオリティ・パス」で空港ラウンジを利用するメリット
メリットその1.クレジットカード会社の空港ラウンジとは違って、保安検査場通過後に利用できるラウンジがある!
例えば「成田空港第一ターミナル」の場合
クレジットカード会社が用意している空港ラウンジ「IASS EXECUTIVE LOUNGE」
保安検査場通過前の5階「94」番にあります。
※このラウンジも、「プライオリティ・パス」で利用することもできます。
「プライオリティ・パス」で利用することができる空港ラウンジ「KAL BUSINESS CLASS LOUNGE」
保安検査場通過後の4階「C7」番にあります。
簡単言えば
「プライオリティ・パス」を持っていない場合は、保安検査場通過前はラウンジが利用できますが、保安検査場通過後は利用できるラウンジはなく、出発するゲートのイスで待つことになります。
「プライオリティ・パス」を持っている方は、保安検査場通過前のラウンジも利用できますし、保安検査場通過後のラウンジも利用できます。
「保安検査場」は並ぶことが多く、時間に余裕をもって飛行機に乗りたい方は、それなりに早めに制限区域内に入ってしまうことが多いと思いますが、入ったら入ったで「やることがない」というケースも往々にしてあります。この場合に「保安検査場通過後のラウンジ」が活躍するのです。
これを使えるのが「プライオリティ・パス」の魅力と言っていいでしょう。
メリットその2.レベルの高い航空会社が用意している「空港ラウンジ」も利用できる!
「空港ラウンジ」というのは
- 航空会社が用意している「空港ラウンジ」
- クレジットカード会社が用意している「空港ラウンジ」
- 空港が用意している「空港ラウンジ」
と、大きく分けて3種類あります。
- 航空会社が用意している「空港ラウンジ」
は
- クレジットカード会社が用意している「空港ラウンジ」
- 空港が用意している「空港ラウンジ」
と比較して、圧倒的に豪華なのです。
例:JALの羽田空港のダイヤモンド・プレミア ラウンジ
内装が豪華
ソファーも豪華
シャワーやマッサージルームがある
軽食の内容も豪華
軽食が柿ピーで、ドリンクバーが付いているだけのクレジットカード会社が用意している「空港ラウンジ」とは比較するまでもないのです。
JALの羽田空港のダイヤモンド・プレミア ラウンジの条件は
- ファーストクラス
- 会員ステータス(JMBダイヤモンド、JGCプレミア会員)
- ワンワールドエリートステイタスのエメラルド会員
のみなのです。
正直、クレジットカード会社の用意している「空港ラウンジ」は、ネットカフェ程度のものですので、満足できるレベルにはありません。
2019年1月時点
成田空港で使える「プライオリティ・パス」の空港ラウンジは
第1ターミナル
- IASS Executive Lounge → クレジットカード会社の空港ラウンジ
- KAL Business Class Lounge → 大韓航空の空港ラウンジ
- T.E.I. Lounge → クレジットカード会社の空港ラウンジ
第2ターミナル
- IASS Executive Lounge → クレジットカード会社の空港ラウンジ
- T.E.I. Lounge → クレジットカード会社の空港ラウンジ
なので、成田空港では、5個のうち1個しか航空会社の空港ラウンジはありませんが、海外では、航空会社の空港ラウンジが利用できる場所も多いのです。
例:海外の航空会社の空港ラウンジ
バンクーバー国際空港/SKYTEAM LOUNGE(スカイチーム)
シンガポール・チャンギ国際空港/SATS PREMIER LOUNGE(シンガポール航空)
ドバイ国際空港/MARHABA LOUNGE(エミレーツ・スカイワー航空)
メリットその3.仕事で活躍するのが空港ラウンジ
法人カードで「プライオリティ・パス」を検討している方の場合は
- 海外出張をする方
- 海外旅行先でも仕事をしなければならない方
もいるはずです。
経営者、経営層になれば、海外への家族旅行であったとしても、メールの確認や緊急時の電話対応ぐらいは、常にし続ける必要があるはずです。
この時に活躍するのが「空港ラウンジ」です。
空港ラウンジであれば
- 充電可能
- 無線LAN対応
- FAXサービスあり
- 飲食・軽食あり
ですので、
仕事をする上で必要な環境は整っています。
家族や彼女や友人がいても、飲食・軽食あって、リラックスできる空港ラウンジであれば、相手をせずに満足してくれるはずです。その隙に仕事をすることが可能です。
「プライオリティ・パス」で空港ラウンジを利用するデメリット
デメリットその1.ビジネスクラス以上の航空会社を使うのであれば、航空会社のラウンジで事足りる!
前述した通りで、海外であれば
- 「プライオリティ・パス」を持っている → 使える航空会社の空港ラウンジが多い
のですが
航空会社の空港ラウンジは、そもそも「ビジネスクラス」以上で飛行機に乗っていた場合、その航空会社の空港ラウンジは利用することができます。
常にビジネスクラスで飛行機に乗る
という方の場合、「プライオリティ・パス」を持っていても、その航空会社の空港ラウンジを利用すれば良いだけですので、使い道が少ないのです。
ただし、「プライオリティ・パス」を持っている方が、使える空港ラウンジの数は多くなります。
デメリットその2.日本では「プライオリティ・パス」は役に立たない!
日本の航空会社の空港ラウンジは「プライオリティ・パス」では利用できません。
JALも、ANAも、「プライオリティ・パス」顧客を受け入れることをしていないのです。自社の顧客を囲い込むためと考えられます。
デメリットその3.同伴者がいる場合は有料!
「プライオリティ・パス」の料金表
会員ランク | 年会費 | 会員本人料金 | 同伴者料金 |
---|---|---|---|
スタンダード | US$99 | US$27 | US$27 |
スタンダード・プラス | US$249 | 無料利用10回、その後のご利用料金US$27 | US$27 |
プレステージ | US$399 | 全て無料 | US$27 |
を見ればわかる通りで、利用する本人は、「プライオリティ・パス」で無料になりますが、同伴者は有料になってしまいます。後程、法人カードから請求されます。
航空会社の空港ラウンジの場合は、同伴者(同行者)1名分は、無料になるところが多いのです。
JAL会員ステイタス別ご利用基準表
デメリットその4.時間制限あり!込んでいるときには使えない場合もある!
「プライオリティ・パス」のウェブサイトには
成田国際空港/KAL BUSINESS CLASS LOUNGE
営業時間
毎日:午前7時35分~午後8時30分 スペースの制約上、入室制限が行われる場合があります。
大阪・関西国際空港/KAL BUSINESS CLASS LOUNGE
利用条件
最長2時間まで滞在可能です。 – 会員1名様につきお連れいただける同伴者数の上限は2名です。 – スペースの制約上、入室制限が行われる場合があります。 – 2歳未満のお子様は入室無料です。 – お子様は大人の同伴が必要です。
「スペースの制約上、入室制限が行われる場合があります。」「最長2時間まで滞在可能です」と記載されています。
他の航空会社の空港ラウンジも同様ですが・・・
「自社の航空会社でフライトする顧客を優先させなければならない」
のです。
そのため、
- 混雑時には、入室できない
- 混雑時には、待たなければならない
- 混雑時には、時間制限がある
などの制約ができてしまうのです。
これは「プライオリティ・パス」の大きなデメリットと言えます。
「プライオリティ・パス」が付帯されている法人カード比較
人気ランキング | 法人カード名 | 初年度年会費(税込) | 2年目~年会費(税込) | 追加カード発行枚数制限 | ETCカード/2年目~年会費(税込) | ショッピング総利用枠/上限 | ポイント還元率/基本 | ポイント還元率/上限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2位 | セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード | 22,000円 | 22,000円 | 4枚 | 0円 | 個別設定 | 0.50% | 1.00% |
6位 | ラグジュアリーカード/Mastercard Gold Card | 220,000円 | 220,000円 | 無制限 | - | 一律の制限なし | 1.50% | 3.30% |
7位 | アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード | 143,000円 | 143,000円 | 4枚 | 550円 | 一律の制限なし | 0.50% | 5.00% |
13位 | 楽天ビジネスカード | 13,200円 | 13,200円 | 発行不可 | 550円/1枚目無料 | 300万円 | 1.00% | 4.00% |
18位 | 三井住友ビジネスカード(プラチナ) | 55,000円 | 55,000円 | 20枚 | 0円 | 一律上限設定なし ※ご利用枠は弊社にて設定させていただきます。ご希望に沿えない場合もございます。 | 0.00% | 0.00% |
23位 | JCBプラチナ法人カード | 33,000円 | 33,000円 | 複数枚 | 0円 | 個別設定 | 0.50% | 4.25% |
24位 | セゾンプラチナ・ビジネスプロ・アメリカン・エキスプレス・カード | 27,500円 | 27,500円 | 99枚 | 0円 | 9999万円 | 1.00% | 1.00% |
26位 | JCB CARD Bizプラチナ | 33,000円 | 33,000円 | - | 0円 | 個別設定 | 0.50% | 3.75% |
28位 | MUFGカード・プラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード | 22,000円 | 22,000円 | 複数枚 | 0円 | 500万円 | 0.40% | 2.40% |
31位 | ダイナースクラブ プレミアムカード+ビジネス・アカウントカード | 143,000円 | 143,000円 | 無制限 | 0円 | 一律の制限なし | 0.50% | 1.00% |
33位 | ラグジュアリーカード/Mastercard Titanium Card | 55,000円 | 55,000円 | 無制限 | - | 一律の制限なし | 1.00% | 2.20% |
34位 | ラグジュアリーカード/Mastercard Black Card | 110,000円 | 110,000円 | 無制限 | - | 一律の制限なし | 1.25% | 2.75% |
41位 | セゾンゴールド・ビジネスプロ・カード | 3,300円 | 3,300円 | 99枚 | 0円 | 9999万円 | 1.00% | 1.00% |
71位 | freeeセゾンプラチナビジネスカード | 22,000円 | 22,000円 | 4枚 | 0円 | 個別設定 | 0.50% | 1.00% |
80位 | ラグジュアリーカード/Mastercard Black Diamond Card | 1,760,000円 | 660,000円 | 無制限 | - | 一律の制限なし | 2.00% | 4.40% |
81位 | apollostation PLATINUM BUSINESS | 22,000円 | 22,000円 | 複数枚 | 0円 | 500万円 | 0.008 | 0.013 |
「プライオリティ・パス」が付帯されている法人カードでおすすめの法人カードは、どれ?
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
をおすすめします。
「プライオリティ・パス」が付帯されている法人カードで、なぜ、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードがおすすめかというと・・・
理由その1.年会費が安い
前述した通りで「プライオリティ・パス」は、ビジネスクラス以上で海外旅行に行く方は、航空会社の空港ラウンジが元々利用できるので、それ以上の空港ラウンジを利用する必要性があまりないのです。
年会費5万~10万という法人カードを持つ方であれば、元々ビジネスクラス以上で海外旅行に行く可能性が高い方ですので、そもそも「プライオリティ・パス」の必要性が薄いのです。
しかし、セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カードであれば、年会費は22,000円です。
理由その2.マイルが貯まりやすい
「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」は、SAISON MILE CLUBの年会費が無料ですので、SAISON MILE CLUBにコストをかけずに加入できます。
SAISON MILE CLUBを利用すると
1000円=10JALマイル(マイル還元率1.0%)
+
2000円=1ポイント(永久不滅ポイント)
= マイル還元率1.12%
と、JALマイルが効率的に貯まることになります。
理由その3.コンシェルジュデスクが優秀
これは、筆者自身が使った感想でしかないのですが・・・
「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」は
- 「Luxury Card」
- 「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」
と比較して、コンシェルジュデスクの対応が良かったのが印象に残っています。
想像の域を超えませんが・・・
と感じています。
まとめ
「プライオリティ・パス」とは
- 世界143カ国、1200カ所以上の空港ラウンジが無料で利用できるラウンジネットワークサービスのこと
を言います。
「プライオリティ・パス」で空港ラウンジを利用するメリット
- メリットその1.クレジットカード会社の空港ラウンジとは違って、保安検査場通過後に利用できるラウンジがある!
- メリットその2.レベルの高い航空会社が用意している「空港ラウンジ」も利用できる!
- メリットその3.仕事で活躍するのが空港ラウンジ
「プライオリティ・パス」で空港ラウンジを利用するデメリット
- デメリットその1.ビジネスクラス以上の航空会社を使うのであれば、航空会社のラウンジで事足りる!
- デメリットその2.日本では「プライオリティ・パス」は役に立たない!
- デメリットその3.同伴者がいる場合は有料!
- デメリットその4.時間制限あり!込んでいるときには使えない場合もある!
というものがあります。
法人カードを持っていれば、「プライオリティ・パス」が無料付帯されるカードもあります。
その中でおすすめなのは「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」です。
「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」がおすすめな理由は
- 理由その1.年会費が安い
- 理由その2.マイルが貯まりやすい
- 理由その3.コンシェルジュデスクが優秀
です。「プライオリティ・パス」で海外空港ラウンジを利用したい方には、「セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード」をおすすめします。
「法人カードのプライオリティ・パスを有効に活用できる方法って何?」
「プライオリティ・パスが付帯されている法人カードを教えてください。」
・・・