法人カードの締め日と支払日は、カード会社ごとに違います。「翌月10日に引き落とし」で統一されているわけではなく、セゾンは翌月4日、アメリカン・エキスプレスは会員ごとに個別の日付です。ここを取り違えると、資金繰り表の入金予定と引き落としがずれます。この記事では、主要4社が公式サイトで公表しているサイクルをそのまま並べ、支払いまでの日数がどこまで伸ばせるのかまで確認します。
先に結論
- 三井住友カードは支払日で締め日が決まります。支払日10日なら15日締め、支払日26日なら月末締め。10日と26日はVpassアプリで変更できると案内されています。
- JCBは毎月15日締め・翌月10日払いで固定。公式FAQは締め日も支払日も変更できないとしています。
- セゾンはショッピングが毎月10日締め・翌月4日払い。キャッシングは末日締め・翌々月4日払いと別サイクルです。
- アメリカン・エキスプレスは締め日も支払日も会員ごとに個別。目安として20日前後締めなら翌月10日、1日前後締めなら同月21日、5日前後締めなら同月26日です。
- 締め日の翌日に使うと、支払いまでおおむね55日前後空きます。同じカードでも締め日の直前に使えば約26日です。発注日をずらせるなら、ここが資金繰りにいちばん効きます。
- 土日祝に支払日が当たった場合は、各社とも翌営業日に繰り下がります。
締め日と支払日は別のもの
まず用語の整理からです。締め日は、その月に請求する利用分を区切る日。支払日は、区切った金額が口座から引き落とされる日です。この2つの間に、カード会社が金額を確定させる期間が入ります。
三井住友カードの公式FAQは、支払日が10日の場合について「カードのご利用代金は毎月15日に締め切り、同月25日頃に次回のお支払い金額が確定、翌月10日(土・日・祝日の場合は翌営業日)にお支払い口座にご指定いただいている口座からお引き落としとなります」と説明しています。締め日から金額確定まで10日ほど、確定から引き落としまでさらに2週間ほど、という流れです。
経理の実務で重要なのは、「使った日」ではなく「どの締めに入ったか」で引き落とし月が決まるという点です。月末にまとめて発注した分が翌月の締めに入ってしまい、想定より1か月遅れて引き落とされる——という食い違いは、ここを押さえていないと起きます。
主要4社の公表サイクル

| カード会社 | 締め日 | 支払日 | 変更の可否 | 公式に書かれている補足 |
|---|---|---|---|---|
| 三井住友カード | 15日 または 月末 | 翌月10日 または 翌月26日 | 10日と26日はVpassアプリで変更できると案内 | 支払日10日は同月25日頃、支払日26日は翌月10日頃に金額が確定 |
| JCB | 毎月15日 | 翌月10日 | 変更できない | ショッピング・キャッシングとも同じ。ETCカードの利用分のみ1日〜月末利用が翌々月10日払い |
| セゾンカード | 毎月10日(情報到着ベース) | 翌月4日 | 公式FAQに変更の案内なし | キャッシングは毎月末日到着分が翌々月4日払いと別サイクル |
| アメリカン・エキスプレス | 会員ごとに個別設定 | 翌月10日/同月21日/同月26日 | 公式に変更手続きの案内あり | 20日前後締めなら翌月10日、1日前後締めなら同月21日、5日前後締めなら同月26日が基本 |
並べてみると、「法人カードは翌月10日引き落とし」と一般化できないことがはっきりします。複数社のカードを使い分けている会社は、資金繰り表を1本にまとめず、カード会社ごとに引き落とし予定日を分けて管理する必要があります。

アメックスは「自分の締め日」を明細で確認する
アメリカン・エキスプレスの公式FAQは「ご請求の締め日、お支払い日は登録された口座振替金融機関等の関係により、お客様ごとに個別に設定されています」と明記しています。カード名で決まるのではなく、会員ごとに異なるということです。
確認方法も公式に案内があります。カードご利用明細書またはオンライン・サービスにログインし、支払日は「ご請求金額」の右、締め日は「最近のご利用」の直下に表示されます。ビジネス・カードのスタートガイドでは、支払日はカード到着時の台紙にも記載されているとされています。会社で複数枚のアメックスを保有している場合、券面が同じでも締め日が違う可能性があります。
セゾンは「情報が届いた日」が基準
セゾンカードの公式FAQは、ショッピングについて「毎月10日までに弊社に情報が届いたご利用分が、翌月4日のお支払い」と書いています。使った日ではなく、加盟店からセゾンへ売上情報が届いた日が基準です。加盟店の売上処理が遅れると、10日直前の利用が翌月の締めに回ることがあります。
また4日が金融機関の休業日の場合は翌営業日の引き落としになります。月初に引き落としが来る設計なので、月末に売掛金の入金が集中する会社では、入金と引き落としの前後関係を確認しておいたほうが安全です。
締め日をどう使うと資金繰りが楽になるか
締め日と支払日が分かると、「いつ使うと支払いまで長く空くか」が計算できます。各社の公表サイクルから数えると次のようになります。

| カード | 締め日の翌日に使った場合 | 締め日当日に使った場合 | 差 |
|---|---|---|---|
| JCB(15日締め・翌月10日払い) | 約55日 | 約26日 | 約29日 |
| 三井住友カード(月末締め・翌月26日払い) | 約56日 | 約26日 | 約30日 |
| 三井住友カード(15日締め・翌月10日払い) | 約55日 | 約26日 | 約29日 |
| セゾン(10日締め・翌月4日払い) | 約55日 | 約25日 | 約30日 |
JCBの公式FAQには利用例が載っていて、11月16日〜12月15日の利用分が12月15日締め、1月10日払いとされています。11月16日に使った分は1月10日の引き落としになるので、支払いまで約55日という計算が公式の例とも合います。

日程に融通が利く発注なら、締め日をまたいだ直後に置くだけで支払いまで1か月ほど延ばせます。金利や手数料はかかりません。
売掛金の入金が月末なら、引き落としが翌月4日のカードは残高が薄くなる時期に当たります。入金の後に引き落としが来る組み合わせを選びます。
三井住友カードは10日と26日を選べます。入金が月中に集まる会社なら26日、月初なら10日、というように会社の資金の流れに合わせます。
締め日が違うカードを併用すると、経費の計上月がカードごとにずれます。会計ソフト側の連携設定も、カード単位で確認しておきます。
支払サイトを延ばすことと、支払いを遅らせることは別です。引き落とし日に残高が足りないと、遅延として扱われます。JCBの公式FAQは「支払い日の前日までに入金をお願いします。金融機関によって引き落とし時間が異なるため、当日の入金では引き落としできない可能性があります」と案内しています。前日までの入金を社内ルールにしておくのが安全です。
間違えやすい3つの点
1. ETCカードだけサイクルが違うことがある
JCBの公式FAQは、ETCカードの利用分について「毎月1日〜月末までの利用分が翌々月10日(土・日・祝日の場合は翌営業日)にお支払い」としています。本カードは15日締め・翌月10日払いなので、同じ会員でもETC分だけ1か月ほど遅れて請求されることになります。高速道路の利用が多い会社では、経費の計上時期がずれる原因になります。
2. キャッシングは別サイクルのことがある
セゾンはショッピングが10日締め・翌月4日払いなのに対し、キャッシングは末日到着分が翌々月4日払いです。一方JCBは「ショッピング・キャッシングご利用分ともに、毎月15日に締め切り、翌月10日にお支払い」と、同じサイクルで扱っています。会社によって扱いが違うので、キャッシング機能を使う場合は個別に確認してください。
3. 締め日は変更できるとは限らない
三井住友カードは支払日を10日と26日で変更できると案内していますが、JCBの公式FAQには「毎月10日の支払い日・毎月15日の締め日を変更できますか?」という項目があり、変更できないと回答されています。締め日を動かせる前提で資金繰りを組まないでください。締め日が合わないなら、カードを変えるほうが早いこともあります。
よくある質問
支払日が土日祝に当たるとどうなりますか
各社とも翌営業日に繰り下がります。JCBは「お支払日が、土・日・祝日の場合は翌営業日になります」、三井住友カードは「土・日・祝日の場合は翌営業日」、セゾンは「4日が金融機関休業日の場合は翌営業日のお引き落とし」と、いずれも公式に明記しています。
締め日の当日に使った分は今回の請求に入りますか
入るのが基本ですが、加盟店からカード会社へ売上情報が届くタイミングによります。セゾンは「毎月10日までに弊社に情報が届いたご利用分」と、到着ベースであることを明記しています。締め日ぎりぎりの利用は、翌月に回る可能性があると考えておいたほうが確実です。
自分のカードの締め日はどこで確認できますか
明細書か会員ページで確認できます。三井住友カードは「WEBサービス『Vpass』のWEB明細書またはご利用代金明細書にてご確認いただけます」、アメリカン・エキスプレスは「カードご利用明細書もしくはオンライン・サービスにログイン後」と案内しています。ウェブ記事の一般論ではなく、自分の明細で確認してください。
締め日が違うカードを複数持つ意味はありますか
支払いの山を分散させる効果はあります。ただし経費の計上月がカードごとにずれるため、経理の手間は増えます。カードの枚数を増やす前に、追加カードの発行で足りないかを検討したほうが管理は楽です。
支払サイトの長さでカードを選ぶべきですか
それだけで選ぶのは勧められません。締め日の違いで生まれる差は最大でも1か月弱で、しかも発注日をずらせる会社でなければ活かせません。年会費、限度額、追加カードの条件、会計ソフトとの連携のほうが、日々のコストへの影響は大きくなります。
引き落としに間に合わなかったらどうなりますか
各社とも支払相談の窓口や再引き落としの案内を用意していますが、扱いは会社ごとに違います。まずカード会社の会員ページか電話窓口に連絡してください。この記事では各社の遅延時の具体的な取り扱いまでは確認していません。
この記事で参照した一次情報
- 三井住友カード「クレジットカードの支払い日と締め日を教えてください。」 https://faq-mem.smbc-card.com/–69969bb0db8389816f38658c(支払日10日・26日それぞれの締め日と確定日)
- JCB「JCBカードの締め日と支払い日について教えてください。」 https://j-faq.jcb.co.jp/faq/show/379(15日締め・翌月10日払い、利用例、ETCカードの別サイクル、入金期日の目安)
- JCB「毎月10日の支払い日・毎月15日の締め日を変更できますか?」 https://j-faq.jcb.co.jp/faq/show/367(変更の可否)
- セゾンカード「セゾンカードの締め日・支払日について知りたい。」 https://faq.saisoncard.co.jp/saison/detail?id=238(ショッピングとキャッシングのサイクル、休業日の扱い)
- アメリカン・エキスプレス「支払いの締め日、支払い日(引き落とし日)を知りたい。」 アメックス公式FAQ(会員ごとの個別設定、締め日と支払日の対応、確認方法)
支払いまでの日数はこの記事が公表サイクルから数えた概算です。実際の日付はカード会社の明細で確認してください。条件は変更されることがあります。










