ゆうちょ銀行の法人口座は審査に約1か月、3〜6月は2か月程度|通常貯金は1,300万円が上限、振替口座に限度額はない

紺色の背景に、ゆうちょ銀行 法人口座の見出しと、書類11種類・窓口で申し込む・審査は約1か月・通常貯金の上限1,300万円という4つの番号付きカードを並べたアイキャッチ

先に数字だけ

  • ゆうちょ銀行の法人口座は、窓口で印章と11項目の公的書類等を出す。1つでも出せないと申し込み自体を受け付けてもらえない。
  • 審査は貯金事務センターで行われ、およそ1か月。申し込みが集中する3月から6月は2か月程度かかることがあると公式に案内されている。
  • 一法人あたりの預入限度額は、通常貯金(通常貯蓄貯金を含む)が1,300万円、定期性貯金も1,300万円。振替貯金口座には限度額がない。
  • 決済に使うなら記号が「0」で始まる振替口座。総合口座は記号が「1」で始まる。
  • 振替小切手の振り出しは2026年9月30日で終了した。2026年10月1日以降も、それまでに振り出した小切手の受付は続く。

法人カードを申し込む前に法人口座をどこに作るか、という順番で詰まる会社は多くあります。ネット銀行なら最短即日で開く一方、ゆうちょ銀行は窓口で書類をそろえて1か月待つ作りです。ここでは、ゆうちょ銀行が自社サイトで公開している条件だけを使って、必要書類・審査期間・口座の種類・限度額を整理します。

審査は貯金事務センター。1か月、混む時期は2か月

最初に期間の話をします。ゆうちょ銀行は法人口座の開設にあたり、犯罪収益移転防止法で求められる事項に加えて、マネー・ローンダリングとテロ資金供与を防ぐための確認と審査を行うと説明しています。

ゆうちょ銀行の「法人口座を開設されるお客さまへ」のページ。法人口座を開設する際の審査について、犯罪による収益の移転防止に関する法律等で求められている事項に加えマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与を防止するため公的書類等による確認および審査を実施していること、公的書類等を提出できない場合は申し込みを受け付けられないことが赤字で書かれ、対象のお客さまとお持ちいただく公的書類等の表が続いている
出典:ゆうちょ銀行「法人口座を開設されるお客さまへ」(2026年10月12日に表示を確認)。画面左下にCookieの同意ダイアログが重なっています。

審査には1か月程度を必要とします。また、休祝日を挟む場合(ゴールデンウィーク、年末年始等)や、お申し込みが集中した場合などは、審査に相当の期間(1か月超)を要することがありますのでご了承ください。特に、例年3月から6月まで申し込みが集中し、審査に2か月程度を要する場合がありますので、申し込み集中期の前にお申し込みいただくか、時間に余裕をもってお申し込みください。

ゆうちょ銀行「法人口座を開設されるお客さまへ」の「審査について」より引用(2026年10月12日に表示を確認)

申し込みが集中する時期を名指ししている銀行は多くありません。3月から6月は決算と新年度が重なるため、設立直後の会社がこの時期に当たりやすくなります。法人カードの申し込みに引き落とし口座が要るなら、口座の開設が2か月後になる前提で逆算することになります。

時期 公式が示す審査期間 読み方
通常 約1か月 貯金事務センターで審査し、後日連絡が来る
ゴールデンウィーク・年末年始を挟む 1か月超 「相当の期間」とだけ書かれ、上限は示されていない
3月〜6月 2か月程度 例年、申し込みが集中すると明記されている
国・地方公共団体等 約1か月 こちらも貯金事務センターでの開設になる

表の時点:2026年10月12日。ゆうちょ銀行「法人口座を開設されるお客さまへ」の記載にもとづきます。審査の結果、希望にそえない場合があるとも書かれています。

窓口に出すのは印章と11項目。全社共通は8項目で、3項目は条件つき

次に書類です。公式ページは「印章と、以下のすべての公的書類等が必要です」として(1)から(11)まで並べています。ただし全部が全社に当たるわけではありません。業種や設立からの期間、代表者の国籍で分かれる項目があります。

番号 書類 誰に当たるか
(1) 法人の履歴事項全部証明書(原本) 全社共通
(2) 来店者の公的な本人確認書類(顔写真付き) 全社共通
(3) 来店者と法人の関係を証する書類(委任状等) 全社共通
(4) 許認可・届出・登録等が完了していることを確認できる資料 対象10業種のみ
(5) 法人番号が確認できる書類(法人番号通知書等) 全社共通
(6) 法人の印鑑証明書(原本) 全社共通
(7) 実質的支配者が確認できる書類 全社共通(法人形態で中身が変わる)
(8) 財務状況が確認できる書類(決算書類等) 全社共通(法人形態で中身が変わる)
(9) 法人設立届出書の控え、事務所の登記簿謄本または賃貸借契約書など 設立後6か月以内の法人のみ
(10) 外国籍の代表者・実質的支配者の在留カードの写し 該当者がいる場合のみ
(11) 事業内容が分かる書類(会社案内、請求書、Webサイトの印刷など) 全社共通

表の時点:2026年10月12日。番号と書類名はゆうちょ銀行の公式ページの並びをそのまま使い、「誰に当たるか」は同ページの但し書きからこちらで整理しました。(1)と(6)は発行日から6か月以内のものに限られます。

許認可の確認が要る業種は10個が名指しされています。建設業、飲食業、不動産業(宅地建物取引業・マンション管理業等)、古物営業(古物商・リサイクルショップ)、質屋営業、中古車販売業、貸金業、介護サービス事業、労働者派遣事業、職業紹介事業です。許認可を取らずに営んでいる場合は、窓口で理由を申し出るようにと書かれています。

図:法人形態で中身が変わる2項目

実質的支配者(株式会社)

代表者印の押印がある(主要)株主名簿か、商業登記所が発行する実質的支配者リストの写し。ただし写しの「実質的支配者該当性の添付書面」欄が「公証人が発行する申告受理及び認証証明書」になっているものは受け付けられません。

実質的支配者(合同会社・合名会社・合資会社・投資法人・特定目的会社)

(主要)出資者名簿など。出資金額や出資割合が分かるものを求められます。

財務状況(上場会社を除く株式会社・合同会社・一般社団法人・NPO法人)

貸借対照表と損益計算書の両方。設立後1年以下などで用意できない場合は、合計残高試算表(または直近1か月分の総勘定元帳)と事業計画書の両方になります。

財務状況(上記以外の法人)

決算関係書類、財産目録、法人の納税証明書などのいずれか。勘定科目内訳表があれば審査の参考にすると書かれています。

外国籍の代表者や実質的支配者がいる場合、在留期間の満了日が口座開設を申し込む日から3か月以内に到来するときは口座開設をいたしかねる、と明記されています。在留期間の残りが短い状態で申し込むと、書類がそろっていても開設に進めません。

口座は2種類。記号が「0」なら振替口座、「1」なら総合口座

ゆうちょ銀行には性格の違う2つの口座があり、法人が事業で使う場合は振替口座が案内されています。見分け方は記号の先頭の数字です。

項目 振替口座 総合口座
記号の先頭 0 1
位置づけ 送金決済専用の口座 貯金と受け取りが中心の口座
預入限度額(一法人あたり) 限度額なし 通常貯金1,300万円/定期性貯金1,300万円
利子 付かない 通常貯金として付く
明細の確認 振替受払通知票Web照会サービスが無料 通帳・ゆうちょダイレクト

表の時点:2026年10月12日。ゆうちょ銀行「振替口座」および「法人口座を開設されるお客さまへ」の記載にもとづきます。振替口座の預り金には利子が付かないと公式ページに明記されています。

限度額の差は、事業規模が大きくなるほど効いてきます。同じ法人名義であれば、本社・支店・営業所といった組織の別にかかわらず一法人として扱うと書かれているので、拠点ごとに口座を分けても1,300万円の枠は増えません。入出金の規模が枠を超えるなら、最初から振替口座を選ぶ形になります。

振替口座の明細を郵送で受け取る場合は、月額料金550円に加えて郵送料金が1通につき165円かかります(いずれも消費税込み)。月額料金は入出金がない月も発生しますが、直近1年間に払込みや払出しがなかった場合は不要です。Web照会サービスを使えば無料なので、郵送が要るかどうかは先に決めておくほうが無駄がありません。

2026年9月30日で振替小切手の振り出しが終わった

振替口座で使える払出しの方法のうち、紙の仕組みは縮小が続いています。公式ページには次の3つの日付が並んでいます。

図:振替口座の払出しサービスに入った3つの区切り

1

2025年5月30日(金)

通常現金払および小切手払の新規利用申し込みの受け付けが終了しました。すでに通常現金払を使っている場合は、引き続き利用できます。

2

2026年9月30日(水)

振替小切手の振り出しが終了しました。

3

2026年10月1日(木)以降

2026年9月30日までに振り出した振替小切手は、引き続きゆうちょ銀行で受け付けられます。

これから法人口座を開くなら、小切手を使う前提の資金繰りは組めません。払出しの中心は電信振替とインターネットバンキングに移ります。法人向けのインターネットバンキングは「ゆうちょBizダイレクト」で、公式サイトに操作説明書が掲載されています。

ネット銀行と比べると、速さではなく受け取りの広さで選ぶことになる

同じ法人口座でも、ネット銀行とは設計思想がかなり違います。当サイトで同じ形で条件を確認した2行と並べると、差が分かりやすくなります。

銀行 開設までの時間 申し込み方法 公式が示す特徴
ゆうちょ銀行 審査に約1か月(3〜6月は2か月程度) 窓口に来店 振替口座は預入限度額なし。通常貯金は1,300万円
PayPay銀行 最短当日 オンライン 1法人1口座まで
GMOあおぞらネット銀行 最短即日 オンライン 他行宛て振込が1件100円

表の時点:2026年10月12日。ゆうちょ銀行の値は同行の公式ページ、他2行は当サイトが各行の公式ページで確認した内容です。くわしくはPayPay銀行の法人口座は最短当日で開設できる|1法人1口座まで、必要書類は取引担当者の本人確認資料で分岐するとGMOあおぞらネット銀行の法人口座は他行宛て振込が1件100円|開設月の翌々月まで月20回無料、総合振込は対象外を参照してください。

速さだけを見ればネット銀行が有利です。それでもゆうちょ銀行が選ばれるのは、払込取扱票による集金に対応していることと、受け取り側の口座として全国どこでも使えることが理由になります。通信販売や会費の集金が中心の事業なら、振替口座の通常払込みが仕事の形に合います。

口座が決まったら、次は引き落とし口座として使える法人カードを選ぶ段取りになります。必要書類と審査の考え方は法人口座の開設に必要な書類は?ネット銀行2行の公式手続きで、共通するものと状況で変わるものを整理にも別の角度でまとめています。

よくある質問

ゆうちょ銀行の法人口座はオンラインで開設できますか

公式ページが案内しているのは、印章と公的書類等を持って窓口で手続きする方法です。提出書類はコピーを取ると書かれており、オンラインだけで完結する手順は示されていません。

審査に落ちることはありますか

公式ページに「審査の結果、ご希望にそえない場合がございますので、あらかじめご了承ください」と明記されています。また、11項目の公的書類等を提出できない場合は、申し込み自体を受け付けられないとも書かれています。

設立したばかりの会社でも作れますか

設立後6か月以内の法人には、(9)として法人設立届出書の控え、青色申告承認申請書の控え、主たる事務所の建物登記簿謄本の原本、または主たる事務所の賃貸借契約書の原本のいずれかが求められます。賃貸借契約書は、口座を開設する法人が契約主体になっているものに限られます。決算書類が用意できない場合は、合計残高試算表と事業計画書の両方を出す形になります。

1,300万円を超えて預けたいときはどうなりますか

限度額があるのは通常貯金と定期性貯金で、振替貯金口座には限度額がありません。同じ法人名義であれば、本社・支店・営業所の別にかかわらず一法人として合算されるため、口座を分けても枠は増えません。

振替口座に利子は付きますか

付きません。公式ページに、振替口座の預り金は決済専用であって利子が付かない旨が書かれています。資金を置いておく口座ではなく、入出金を回す口座という位置づけです。

この記事で確認した一次情報

  • ゆうちょ銀行「法人口座を開設されるお客さまへ」:審査の実施と期間(約1か月、3〜6月は2か月程度)、印章と(1)〜(11)の公的書類等、許認可が必要な10業種、実質的支配者と財務状況の書類、在留期間3か月以内は開設不可、預入限度額(通常貯金1,300万円・定期性貯金1,300万円・振替貯金口座は限度額なし)
  • ゆうちょ銀行「振替口座」:記号「0」と「1」の違い、決済専用で利子が付かないこと、振替受払通知票Web照会サービスは無料、郵送通知は月額550円+1通165円、通常現金払と小切手払の新規受付終了(2025年5月30日)、振替小切手の振り出し終了(2026年9月30日)
  • ゆうちょ銀行「口座開設時の本人確認書類」:窓口で提示する本人確認書類の区分

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