法人カードの支払いは1回払いだけ?分割・リボが使える系統と使えない系統を公式スペックで確認

法人カードの支払いは1回払いだけなのかと書かれたアイキャッチ画像。三井住友ビジネスカードは1回払いのみ、ビジネスオーナーズは分割・リボが使える、セゾンは法人カードのあとから分割が不可と並べた図

大きな支出をカードで通したあと、翌月の口座残高を見て「これ、分割にできないのか」と考えた経験はないでしょうか。個人のクレジットカードなら「あとから分割」「あとからリボ」で後戻りできますが、法人カードでは同じ手が使えないことがあります。しかも、同じカード会社の中でも、カードの系統によって使えたり使えなかったりするのがややこしいところです。この記事では、三井住友カードとクレディセゾンが公式に出している条件を並べて、どこで分かれるのかを整理します。

先に結論

  • 三井住友カードの三井住友ビジネスカードは、カード利用枠の欄に「1回払いでのご利用となります」と明記されており、リボ・分割・2回・ボーナス一括払い利用枠は「―」です。
  • 同じ三井住友カードでも、個人事業主・法人代表者向けの三井住友カード ビジネスオーナーズは1回払い・リボ払い・分割払い・2回払い・ボーナス一括払いに対応し、その利用枠は0〜200万円と公表されています。
  • 三井住友コーポレートカードもリボ・分割・2回・ボーナス一括払い利用枠は「―」。支払い方法は口座振替に加えて振込が選べます。
  • クレディセゾンは「あとから分割」の注意事項で、法人カードはあとから分割の手続きができないと明記しています。
  • 分けているのは会社ではなくカードの系統です。誰が引き落とされるのか(法人か、代表者個人か)で扱いが変わります。

同じ三井住友カードでも、3系統で条件が違う

三井住友カードは法人向けを3つの系統に分けています。個人事業主・法人代表者向けのビジネスオーナーズ、従業員20名以下の中小企業向けのビジネスカード、大企業向けのコーポレートカードです。この3つは対象だけでなく、支払い方法の選べる幅がはっきり違います。各系統のカード基本情報から、支払いに関する欄だけを抜き出すと次のようになります。

系統 ショッピングの支払い方法 リボ・分割・2回・ボーナス一括払い利用枠 支払い方法(引き落とし)
三井住友カード ビジネスオーナーズ 1回払い・リボ払い・分割払い・2回払い・ボーナス一括払い 0〜200万円 口座振替
三井住友ビジネスカード カード利用枠の欄に「1回払いでのご利用となります」と記載 口座振替
三井住友コーポレートカード カード利用枠は会社全体の総利用枠に加えて利用者ごとに設定可能 口座振替/振込

注目したいのは、ビジネスオーナーズだけが分割やリボを持っていることです。ビジネスオーナーズは法人代表者・個人事業主が本会員になる作りで、与信の見方が個人カードに近くなります。一方、ビジネスカードとコーポレートカードは会社が契約し、社員が使う形です。会社の支払いを分割して手数料を発生させる前提になっていないため、枠そのものが用意されていません。

三井住友カードの三井住友ビジネスカードの公式ページ。従業員20名以下が利用するカードとして、ビジネスクラシック(一般)・ビジネスゴールド・ビジネスプラチナの3種類と年会費が並んでいる
出典:三井住友カード「三井住友ビジネスカード」。同じページのカード基本情報に、カード利用枠と支払い方法の条件が載っている。

ビジネスオーナーズについては、条件の書き方も具体的です。カード基本情報には「カードショッピングのリボ払い・分割払いはカード利用枠の範囲内(ただし、上限200万円)で弊社が設定します」とあります。200万円は申し込めば必ず付く額ではなく、上限だという読み方になります。支払日は「15日締め翌月10日お支払い」と「月末締め翌月26日お支払い」の2通りです。締め日と支払日の選び方は法人カードの締め日と支払日のページで詳しく整理しています。

「あとから分割」が使えないカードがある

もう1つ、支払ったあとに変更できるかどうかという軸があります。クレディセゾンは「あとから分割」というサービスを用意していて、1回払い・ボーナス一括払いの利用分をあとから分割払いへ変更できます。支払回数は3〜36回の中から指定でき、14日までに手続きを完了すると翌月の支払分から反映されます。

ただし、このページの注意事項には対象外が名指しで書かれています。「ローソンPontaハウスカード、DMM JCBカード、法人カードはあとから分割のお手続きができません。」——法人カードが、特定の提携カードと並んで除外されています。

クレディセゾンの「あとから分割」のページ。1回払い・ボーナス一括払いの利用分をあとから分割払いに変更できる仕組みの図と、法人カードは手続きができない旨の注意書きが表示されている
出典:クレディセゾン「あとから分割」。ページ下部の注意事項に、法人カードが対象外である旨が記載されている。

あとから変更できないことには、もう1つ副作用があります。同じページには「分割払いに変更されたご利用分を元のお支払い方法に戻すことやリボ払いへの変更はできません」とも書かれています。あとから分割は片道切符で、そもそも使えない法人カードでは、支払い方法は決済のときに決まったままになります。手が打てるのは決済の前だけ、ということです。

決済の前にできること

そのカードが分割・リボに対応しているかを確認する。対応していない系統なら、支出の時期を分けるなど別の方法を考える。

決済の後にできること

あとから分割・あとからリボが使えるカードに限られる。セゾンは法人カードを対象外と明記している。

会社が契約するカード

ビジネスカード・コーポレートカードはリボ・分割・2回・ボーナス一括払いの利用枠が「―」。1回払いが前提。

代表者個人が契約するカード

ビジネスオーナーズは分割・リボに対応。上限200万円の枠内でカード会社が設定する。

支払い方法を動かせる余地は、決済前と決済後、そして誰が契約しているかで変わる。

1回払いしか選べないカードで資金繰りを動かす方法

分割ができないカードでも、支出の時期をずらす余地はあります。効くのは支払い方法ではなく、締め日と支払日の組み合わせです。締め日の直後に決済すれば、引き落としまでの期間がいちばん長くなります。

1自分のカードの締め日を確認する三井住友カードの法人向けは15日締め翌月10日払いが基本で、ビジネスオーナーズは月末締め翌月26日払いも選べます。
2大きな支出を締め日の直後に寄せる締め日の翌日に決済すると、次の締め日までの約1か月と、締めから支払いまでの約25日を足した猶予が取れます。
3利用枠が足りるかを先に見る1回払いのカードは、枠が空かないと決済自体が通りません。増枠や一時引き上げの手続きは会社ごとに違います。
4分割が要るなら、カードの系統から選び直す後から変更できない以上、分割を前提にするなら申し込みの段階で対応しているカードを選ぶしかありません。
5遅らせる手段と、遅れることを混同しない支払日を過ぎると遅延損害金が発生します。猶予を伸ばすことと、延滞は別の話です。
1回払いしか選べない法人カードでも、締め日と支払日の設計で手元資金の滞留期間は変えられる。

枠が足りずに決済が通らないときの手続きは、法人カードの利用限度額のページにまとめています。期日を過ぎたときに何が起きるかは法人カードの支払いが遅れるとどうなるかで確認してください。三井住友カードの3系統そのものの違いは三井住友カードの法人カードは3系統で整理しています。

分割払いができないことは、必ずしも不利ではありません。分割払いやリボ払いには手数料がかかります。クレディセゾンも「分割払いをご利用になると手数料がかかります」と明記しています。会社の支出を分割に回すと、その手数料は経費として残り続けます。1回払いしか選べない設計は、手数料を払わせない設計でもある、という見方ができます。

申し込む前に確認しておきたい4点

確認すること どこに書いてあるか 見落としたときに起きること
ショッピングの支払い方法 各カードの「カード基本情報」の支払い方法・ショッピングの欄 分割前提で大型の支出を通してしまい、翌月に一括で引き落とされる
リボ・分割等の利用枠 同じ表の「リボ・分割・2回・ボーナス一括払い利用枠」 「―」なら枠そのものが無い。申し込み後に付けられるとは限らない
あとから変更できるか カード会社の「あとから分割」「あとからリボ」の注意事項 対象外カードだと、決済後に打つ手が無くなる
引き落とし方法と支払日 同じ表の「お支払い方法」「お支払日」 コーポレートカードは振込も選べるなど、経理の運用が変わる

公式ページの表で「―」と書かれている欄は、空欄ではなく「無い」という意味です。リボ・分割・2回・ボーナス一括払い利用枠が「―」になっているカードは、申し込み時点で分割の選択肢を持っていません。カード会社の担当者に相談すれば付くという性質のものではないので、分割を前提にするなら別のカードを選ぶことになります。

よくある質問

法人カードは1回払いしか選べないのですか

カードの系統によります。三井住友カードの場合、三井住友ビジネスカードはカード利用枠の欄に「1回払いでのご利用となります」と記載され、リボ・分割・2回・ボーナス一括払い利用枠は「―」です。一方、三井住友カード ビジネスオーナーズは1回払い・リボ払い・分割払い・2回払い・ボーナス一括払いに対応しています。

あとから分割払いに変更できますか

クレディセゾンの「あとから分割」は、注意事項で「ローソンPontaハウスカード、DMM JCBカード、法人カードはあとから分割のお手続きができません」と明記しています。使えるカードでも、変更後に元の支払い方法へ戻すことやリボ払いへの変更はできないとされています。

分割にできる法人カードの枠はいくらですか

三井住友カード ビジネスオーナーズでは、リボ・分割・2回・ボーナス一括払い利用枠が0〜200万円と公表されています。カード基本情報には「カードショッピングのリボ払い・分割払いはカード利用枠の範囲内(ただし、上限200万円)で弊社が設定します」とあり、200万円は上限であって全員に付く額ではありません。

どうして会社契約のカードは分割できないのですか

公式ページに理由の記載は見当たりませんでした。事実として書かれているのは、ビジネスカードとコーポレートカードのリボ・分割等の利用枠が「―」であること、ビジネスカードには1回払いでの利用となる旨が記載されていることです。理由の推測ではなく、この記載そのものを前提に選ぶのが確実です。

引き落としは口座振替だけですか

三井住友カードの法人向けでは、ビジネスオーナーズとビジネスカードのお支払い方法が口座振替、コーポレートカードは口座振替と振込が挙げられています。コーポレートカードの支払日は毎月15日締め翌月10日支払いと記載されています。

支払日を後ろにずらす方法はありますか

支払い方法ではなく、締め日と支払日の組み合わせで調整します。三井住友カード ビジネスオーナーズは「15日締め翌月10日お支払い」と「月末締め翌月26日お支払い」の2通りが公表されています。締め日の直後に決済するほど、引き落としまでの期間は長くなります。

分割ができないと資金繰りで不利になりますか

手数料の面では逆に有利になる場合があります。分割払いやリボ払いには手数料がかかるとクレディセゾンも明記しており、会社の支出を分割に回すとその分の費用が積み上がります。支払い時期の調整は、締め日と支払日、そして決済のタイミングで行うのが基本になります。

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