パーチェシングカードとは?パーチェシングカードのメリットデメリット、法人カードとの違いを徹底解説

man
「パーチェシングカードとは何ですか?」
「パーチェシングカードと法人カードはどう違うのでしょうか?」
「パーチェシングカードのメリットデメリットを教えてください。」

法人カードと同じような法人が利用する決済用カードには「パーチェシングカード」という種類のカードがあります。会社によっては「パーチェシングカード」の方がお得になるケースもあります。今回は、「パーチェシングカード」のメリットデメリット、法人カードとの違いについて解説します。

パーチェシングカードとは?

パーチェシングカードとは

カードの利用先を限定した、企業間取引の決済用カードのこと。Purchasing(購入)のためのカード

を言います。

イメージがつかみにくいと思うので、各社のパーチェシングカードの解説を見てみると・・・

三井住友Visaカード

JCB

クレディセゾン

三菱UFJニコス

ダイナースクラブ

つまり、

サプライヤー(仕入先、供給元、納品業者)へ企業が支払うときは、一般的には「請求書による支払い」となります。

しかし、カード会社が発行しているパーチェシングカード(パーチェシングシステム)を利用することで

支払いをカード会社からの月1回の請求にまとめられる

メリットがあるのがパーチェシングカード(パーチェシングシステム)なのです。

man
「えっ、それだけ?法人カードで支払うのと同じじゃないの?」

と思ってしまいますが、パーチェシングカード(パーチェシングシステム)にしかない特徴があるのです。

パーチェシングカード(パーチェシングシステム)の特徴

特徴その1.カードレス

法人カードのようなプラスティックカードは発行されません。

カードレスで決済用の番号のみ

なのです。

※一部、カード原板のみを発行するケースはあります。

特徴その2.利用先の限定

パーチェシングカード(パーチェシングシステム)では

利用先の登録

が事前に必要になります。

逆に言えば

登録した利用先(加盟店)でしか利用できない

ということになります。

特徴その3.カード番号は会社名・組織名・経費費目名で発行可能

カード番号は複数発行が可能です。

カード番号ごとに

  • 会社名義
  • 部署名義
  • 経費名
  • 使用用途

での発行が可能になります。

特徴その4.限度額が高額

基本的には、事前に利用先の加盟店名をカード会社に申請するため、高額な限度額が設定可能です。

中には1億円程度の限度額にも対応できるカードがあります。

特徴その5.限度額をカードごとに設定できる

発行したカードごとに会社全体の枠の中から、自由に利用限度額を設定することができます。

パーチェシングカード(パーチェシングシステム)のメリット

メリットその1.支払いの一本化によるコスト削減

請求書支払いと比較すると

  • 支払いを一本化することで経理処理の作業コストが軽減できる
  • 支払いを一本化し、利用データを管理することで、経理・会計コストが軽減できる
  • 支払いを一本化することで、振込手数料などを削減できる

というコスト削減のメリットがあります。

メリットその2.カード紛失・盗難の防止

パーチェシングカードは、カードレスの決済用カードです。

そのため

  • カードの紛失
  • カードの盗難

などのリスクを回避することができます。

メリットその3.社員のカード持ち出しによる悪用の防止

利用先を指定できるため

社員がカード番号を持ち出して、個人用に利用しようとしても使えません。

社員のカード持ち出しによる悪用を防止してくれます。

メリットその4.部署名、会社名、用途名での番号発行で、担当者変更後も利用し続けられる

カード番号ごとに

  • 会社名義
  • 部署名義
  • 経費名
  • 使用用途

での発行が可能ですので

個人名義ではない分、担当者変更があったとしても、そのまま使い続けられるメリットがあります。

メリットその5.利用限が大きい

パーチェシングカードによっては、限度額9,999万円というカード会社もあります。

一般的な法人カードの場合は

  • 200万円~500万円

コーポレートカードでも

  • 1,000万円前後

のものが多いのですが

利用先を限定している分、貸し倒れリスクを抑えられるため、高額な利用限度額が設定できるのです。

パーチェシングカード(パーチェシングシステム)のデメリット

デメリットその1.特定の支払いにしか利用できない

カード会社によって違いはありますが、パーチェシングカードは特定の支払いにしか利用することができません。

JCB

原材料等支入れ費用
携帯電話費用
固定電話費用
電報費用
インターネット回線費用
国際航空券費用
新幹線(鉄道費用)
クラウドシステム使用費用
雑誌・書籍購入費用
文房具購入費用
新聞購読費用
リスティング広告費用
電気代・ガス代・水道費用

クレディセゾン

リスティング広告料
WEB通販利用
携帯電話料金
クラウドサーバー利用料金
公共料金
各種税金(法人税、消費税・地方消費税、申告所得税・復興特別所得税)

ダイナースクラブ

クラウドサービス使用費用
リスティング広告費用
携帯電話・固定電話回線使用料、通話料
電報費用
プロバイダー使用料
雑誌・書籍購入費用
文房具購入費用
新聞・WEBマガジン購読費用

デメリットその2.基本的にはポイントが付かない

一般的にパーチェシングカードは、法人カードのようなポイント付与がありません。

ポイント面でのメリットは、法人カードのようにないのです。

一部のパーチェシングカードではポイント付与があります。

例:ライフカード「カードレス コーポレートカード」

  • 年会費:無料
  • 利用額の0.5%のキャッシュバック

デメリットその3.決められた利用先でしか利用できない

パーチェシングカードのメリットは

決められた利用先でしか利用できないため

  • 悪用を回避できる
  • 利用限度額が大きい

ことなのですが

決められた利用先でしか利用できないため

  • 緊急時の支払いに利用できない
  • 事前に利用先をカード会社に申請しなければならない

というデメリットも発生します。

使い勝手の面では、法人カードに大きく劣ってしまうのです。

デメリットその4.法人カードのような特典がない

法人カードには

  • ビジネス優待
  • レストラン優待
  • ホテル優待
  • 空港ラウンジ
  • 空港関連サービス
  • コンシェルジュデスク
    ・・

など、様々な利用特典が付帯されています。

パーチェシングカードには、このような利用特典は、ほとんどないのです。

パーチェシングカード(パーチェシングシステム)がおすすめの会社とは?

パーチェシングカードを利用すべき会社は

  • 社員数100名以上の大企業
  • オンラインでの決済額が大きい企業
  • 毎月のカード利用額(カード決済の対象額)が1,000万円を超える企業
  • 支店、支社、部署などの数が多く、管理が煩雑になっている企業

です。

このような企業であれば、パーチェシングカードを利用することで

  • 経費削減
  • カードの盗難、紛失、悪用リスクの回避
  • 経費の部署ごと、支社ごとのデータ管理

というメリットが享受できるのです。

一方で、上記に当てはまらない企業の場合は「法人カード」の方がおすすめです。

法人カードを利用すれば

  • ポイント付与がある
  • ビジネス優待、レストラン優待、ホテル優待、空港ラウンジ、空港関連サービス、コンシェルジュデスクなどの付帯サービスが利用できる
  • プラチナカード、ブラックカードなどのステイタス性の高いカードが持てる
  • どの加盟店でも、申請なしで利用できる
  • リアル店舗での決済も可能
    ・・

など、メリットの方が大きいため、取り立ててパーチェシングカードを利用する必要がありません。

法人カードを選ぶことをおすすめします。

パーチェシングカードを利用中の経営者も、法人カードは持つべき!


staff
企業規模が大きい会社で、法人カードよりもパーチェシングカードが良い
という会社の経営者も、パーチェシングカードとは別に法人カードを持つ必要があります。

なぜなら、

  • 経営者だけが保有していれば悪用のリスクは少ない
  • 経営者は、接待や出張など利用先を限定しない経費利用が多い
  • 経営者こそ、プラチナカードやブラックカードのステイタス性の高いカードが対外的な信用につながる
  • 空港ラウンジ、コンシェルジュデスクなどを活用できる

メリットがあるからです。

経営者個人のみが管理していれば、悪用のリスクもないため、パーチェシングカードとは別に法人カードを持つことをおすすめします。

  • 社員が利用する経費精算 → パーチェシングカード
  • 経営者、経営陣が利用する経費精算 → 法人カード

という形で使い分けることをおすすめします。

おすすめのパーチェシングカード比較

三井住友Visaカード/三井住友パーチェシングカード

  • 年会費:1,375円(税込)
  • 追加カード:1会員ごとに440円(税込)※上限33,000円(税込)
  • カード利用枠:個別設定
  • 国際ブランド:Visa
  • お支払い方法:1回(口座振替、振込)

ライフカード

  • 年会費:永年無料
  • カード利用枠:200万円~
  • 国際ブランド:Visa、Mastercard、JCB
  • キャッシュバック:利用額の0.5%
  • お支払い方法:1回(口座振替、振込)

セゾン・アメリカン・エキスプレス・ビジネス プロ・パーチェシング・カード

  • 国際ブランド:AMEX
  • 年会費:11,000円(税込)
  • キャッシュバック率:0.5%(お支払いを最大84日後にすると、0.25%:手数料無料)
  • ショッピング枠:~9,999万円
  • プラスティックカード:なし
  • 利用先条件:なし
  • 支払方法:1回払い、スキップ払い

クレディセゾン/UCパーチェシングカード(カードレスコーポレートカード)

  • 年会費:個別の年会費設定
  • カード利用枠:個別設定
  • 国際ブランド:Visa、Mastercard
  • お支払い方法:1回(口座振替、振込)

JCB/パーチェシングサービス

情報なし

三菱UFJニコス/MUFGカード コーポレート パーチェシング(Visa・Mastercard)

情報なし

ダイナースクラブ/コーポレートパーチャシングシステム(CPS

情報なし

まとめ

パーチェシングカードとは

  • カードの利用先を限定した、企業間取引の決済用カードのこと。Purchasing(購入)のためのカード

を言います。

パーチェシングカードには下記の特徴があります。

  • 特徴その1.カードレス
  • 特徴その2.利用先の限定
  • 特徴その3.カード番号は会社名・組織名・経費費目名で発行可能
  • 特徴その4.限度額が高額
  • 特徴その5.限度額をカードごとに設定できる

パーチェシングカードのメリットは

  • メリットその1.支払いの一本化によるコスト削減
  • メリットその2.カード紛失・盗難の防止
  • メリットその3.社員のカード持ち出しによる悪用の防止
  • メリットその4.部署名、会社名、用途名での番号発行で、担当者変更後も利用し続けられる
  • メリットその5.利用限が大きい

パーチェシングカードのデメリットは

  • デメリットその1.特定の支払いにしか利用できない
  • デメリットその2.基本的にはポイントが付かない
  • デメリットその3.決められた利用先でしか利用できない
  • デメリットその4.法人カードのような特典がない
teacher
パーチェシングカードは、基本的に社員数100名以上でカード利用額が月額1,000万円を超える大企業が導入すべき決済用カードです。中小企業や個人事業主の場合は、ポイント付与やカードサービスが充実している法人カードの方が何倍もメリットが大きいのです。

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