決算書を出せる状態にない、あるいは過去の支払いに不安がある。そうした事情で法人カードを諦めかけたときに名前が挙がるのがデポジット型です。保証金を預け、その金額が利用限度額になる仕組みで、「与信をお金で担保する」タイプのクレジットカードと言えます。ただし「保証金を払えば必ず作れる」わけではありません。ライフカードが公開している条件を読みながら、仕組みと使いどころを整理します。
先に要点
- デポジット型は、事前に預けた保証金の範囲内で利用限度額が設定されるクレジットカードです。限度額は保証金と同額とされています。
- ライフカードのデポジット型ビジネスカードは、年会費11,000円で限度額30万〜100万円から始まり、限度額が上がるほど年会費も上がる階段構造です。
- 保証金を預ければ通るわけではありません。公式ページにも「カード発行には審査があります」と明記されています。
- 保証金は解約日から約2か月後に登録口座へ返還されます。未入金があれば、残高が0円になった日が起点になります。
- 保証金は、支払いが一定期間なかった場合に利用代金等へ充当される場合があると案内されています。
- カード発行は保証金の着金確認後、最短6営業日。引落口座の手続きが済んでいることが前提です。
限度額は「審査で決まる額」ではなく「預けた額」
通常の法人カードは、決算書や事業実績をもとにカード会社が限度額を決めます。デポジット型はここが違います。ライフカードは「事前にデポジット(保証金)をお預けいただき、デポジット(保証金)の範囲内でご利用限度額を設定させていただくクレジットカードです」と説明し、Q&Aでも限度額について「お預けいただくデポジット(保証金)の金額と同額となります」と答えています。

プリペイドカードとの違いもここにあります。プリペイドは使うたびに残高が減り、繰り返しチャージが必要です。デポジット型は保証金を預けたままで、利用代金は登録した金融機関口座からの自動振替になります。支払いのサイクルは通常のクレジットカードと同じで、ライフカードは支払期間を最大60日(締日5日、引落日は金融機関により27日または3日)としています。
つまり、手元の資金を先に固定する代わりに、支払い猶予とカード決済の利便性は普通のクレジットカードと同じように得られるという設計です。
年会費は限度額に連動する
デポジット型で見落とされがちなのが年会費です。限度額を上げると年会費も上がります。

| 年会費 | 限度額 | 限度額100万円あたりの年会費の目安 |
|---|---|---|
| 11,000円 | 30万〜100万円 | 限度額100万円なら11,000円 |
| 22,000円 | 110万〜200万円 | 限度額200万円なら11,000円 |
| 44,000円 | 210万〜500万円 | 限度額500万円なら8,800円 |
| 66,000円 | 510万〜1000万円 | 限度額1000万円なら6,600円 |
| 88,000円 | 1010万円〜 | 限度額が大きいほど割安になる |
右端の欄は、年会費を限度額で割った目安です。限度額が小さいほど、1円あたりの年会費は割高になります。30万円の限度額に11,000円を払うなら、年会費無料の法人カードで30万円の枠が取れないかを先に確かめるほうが合理的です。逆に、1000万円の枠を66,000円で確保できるなら、通常の与信では届かない水準を費用で買っていることになります。
従業員カードとETCカードはいずれも無料と案内されています。複数人で使う前提なら、この点は年会費の重さを和らげます。運用の考え方は法人カードの追加カードで整理しています。
「審査なし」ではない
ここは誤解が多いところです。デポジット型は保証金で担保する仕組みですが、ライフカードの公式ページには「カード発行には審査があります」という注記が、発行対象の欄とキャンペーン表示の両方に置かれています。発行対象は法人または個人事業主です。
「保証金を払えば誰でも作れる」という説明を見かけたら、その情報源を確かめてください。カード会社自身は審査があると書いています。
審査で何を見ているかは公表されていません。判断材料として何が記録されているかは、法人カードの審査で個人の信用情報はどこまで見られるかにまとめました。デポジット型を検討する前に、自分の記録を開示で確認しておくと、そもそも通常のカードで足りるのかが判断できます。
申し込みから発行までの順番
手順には1つ癖があります。保証金を振り込まないとカードが発行されないため、申し込んだ日から逆算する感覚だとずれます。

ライフカードのQ&Aは、保証金の支払方法について「弊社より連絡がありましたら、指定口座へお振込みください。着金確認後にカードを発行いたします」としています。発行時期については「デポジット(保証金)のお振込み後、最短6営業日でカードを発行いたします」「引落口座の手続きがお済でないと、カードは発行されません」と書かれています。
急いでいる場合、ここで詰まりやすいのは引落口座の手続きです。振込を済ませても口座登録が終わっていなければ発行は進みません。着手する順番としては、口座の準備を先に片づけておくのが早道です。
保証金は返ってくるが、すぐではない
解約したその日に戻るわけではありません。ライフカードは「カードの解約日(脱会)より約2か月後にご登録口座へ返還します」とし、未入金がある場合は「お支払いをしていただき、残高が0円になった日より約2か月後に返還します」と説明しています。

もう1つ押さえておきたいのが、保証金の性格です。Q&Aでは用途について「お預けいただいたデポジット(保証金)は、ご利用代金等のお支払いが一定期間いただけなかった場合に、ご利用代金等に充当させていただく場合があります」とされています。預けっぱなしにしておけば必ず全額戻る、という約束ではありません。
資金繰りの観点では、保証金は数か月単位で動かせない現金です。限度額を大きくするほど拘束される額も増えます。運転資金に余裕がないのに枠だけ広げると、本末転倒になります。
デポジット型が向く場面と、向かない場面
| 状況 | デポジット型の向き不向き | 考え方 |
|---|---|---|
| 設立直後で決算書がない | 向いている | ライフカードも「決算書の提出が困難な方」を対象に挙げている |
| 現金はあるが与信が付かない | 向いている | 資金を担保に枠を確保できる |
| 希望する限度額が通らない | 向いている | 預けた額がそのまま枠になる |
| 運転資金がぎりぎり | 向いていない | 保証金が数か月拘束される |
| 年30万円程度しか使わない | 向いていない | 年会費11,000円に見合うか要検討 |
| 決済手段だけ欲しい | 別の選択肢がある | 与信を伴わない支払手段を検討する |
最後の行について補足します。カード決済ができれば十分で、支払い猶予は要らないという場合、法人デビットカードのほうが保証金を預けずに済みます。口座残高がそのまま使える金額になるので、資金の拘束という意味ではデポジット型と似ていますが、年会費の負担は軽い傾向があります。支払い猶予とポイント、付帯サービスに価値を見いだせるかが分かれ目です。
かつて紹介されていたSBS Premium Cardについて
デポジット型の法人カードを調べると、スマートビリングサービス株式会社のSBS Premium Card(DP/DPB)という名前が出てきます。当ページでも以前はこのカードを中心に説明していました。
2026年9月時点で確認したところ、このカードの専用サイトは接続できず、内容を確かめられませんでした。スマートビリングサービスのコーポレートサイトは稼働しており、収納代行サービスと各種決済サービスが案内されていますが、クレジットカードの発行事業はサービス一覧に見当たりません。現在も申し込めるのかどうかは、公開情報からは判断できませんでした。
申し込みを検討している場合は、カード会社へ直接問い合わせて現在の取り扱いを確認してください。当ページでは、公式サイトで内容を確認できたライフカードのデポジット型ビジネスカードを基準に説明しています。
よくある質問
デポジット型なら審査に落ちませんか
落ちることはあります。ライフカードの公式ページには「カード発行には審査があります」と明記されています。保証金は審査を不要にするものではありません。
限度額はいくらまで上げられますか
預ける保証金と同額が限度額になります。ライフカードの年会費表では1010万円以上の区分(年会費88,000円)まで用意されています。
保証金はいつ返ってきますか
解約日から約2か月後に登録口座へ返還されます。未入金の明細がある場合は、支払って残高が0円になった日から約2か月後です。
保証金が減ることはありますか
利用代金等の支払いが一定期間なかった場合、保証金が利用代金等に充当される場合があるとされています。通常どおり支払っていれば充当されません。
カードはいつ届きますか
保証金の着金確認後、最短6営業日で発行されると案内されています。引落口座の手続きが済んでいない場合は発行されません。
従業員にも持たせられますか
従業員カードは無料と案内されています。ETCカードも無料です。カードごとに使用者を分けるのが原則です。
プリペイド型とは何が違いますか
残高の扱いが逆です。プリペイドは支払うたびに残高が目減りするため入金を繰り返しますが、デポジット型の保証金は預けたまま動きません。利用代金は後から口座振替で引き落とされ、支払いサイクルは通常のクレジットカードと同じです。
この記事で参照した一次情報
- ライフカード「デポジット型ビジネスカード」(保証金と限度額、年会費、発行までの日数、返還条件、Q&A) https://www.lifecard.co.jp/card/credit/business_deposit/
- スマートビリングサービス株式会社 コーポレートサイト(現在案内されているサービス) https://www.smartbilling.co.jp/










