法人カードの「年会費無料」は3種類|永年無料・条件付き無料・初年度のみ無料の違いと、使わないとかかる1,650円

永年無料・条件付き無料・初年度のみ無料の3区分を3つの枠で並べたアイキャッチ

法人カードを「年会費無料」で探すと、多くのカードが候補に出てきます。ところが申し込んだ翌年に請求が来て驚く、ということが起こります。カード会社が使う「年会費無料」という言葉には永年無料・条件付き無料・初年度のみ無料の3つがあり、同じ4文字でも意味がまったく違うからです。この記事では、発行会社が公式ページに書いている年会費をそのまま突き合わせて、3つの違いと、見落としやすい手数料を整理します。

先に結論
  • ジェーシービーは公式の解説ページで、法人カードの「年会費無料」には「永年無料」「条件付き無料」「初年度のみ無料」の3種類があると明記している。
  • 2年目以降もずっと無料で持てるのは、JCB Biz ONE 一般と、ライフカードビジネスライトプラスのスタンダードなど。
  • ライフカードビジネスライトプラスは年会費無料だが、1年間まったく使わないとカードサービス手数料1,650円(税込)がかかると公式に書かれている。
  • P-one Business Mastercardは初年度無料で、前年度に利用があれば次年度も無料。利用がない場合は次年度2,200円(税込)。
  • JCB一般法人カードの1,375円(税込)やJCBゴールド法人カードの11,000円(税込)は初年度のみ無料で、切り替えの場合は初年度無料の対象にならない。

「年会費無料」には3つの意味がある

最初に押さえるのは言葉の定義です。ジェーシービーは「年会費無料の法人カードの選び方」という解説ページで、法人カードにおける「年会費無料」は主に3種類あると説明し、それぞれを次のように定義しています。発行会社自身が区別を明示しているので、ここを出発点にできます。

ジェーシービーの法人カードサイトにある「年会費無料の法人カードの選び方」の解説ページ。見出しと更新日が表示されている
ジェーシービーが公開している解説ページ。同じページに、永年無料・条件付き無料・初年度のみ無料という3つの区分と、自社カードの年会費を並べた比較表が載っている。
ジェーシービーが示す「年会費無料」の3区分
区分 公式ページでの説明 翌年度以降
永年無料 条件や期間の制限がなく、年会費が無料で使い続けられる 無料のまま
条件付き無料 一定の条件を満たすことで年会費が無料になる。条件は「年間◯万円以上利用」「年間◯回以上利用」などカードによって違う 条件しだい
初年度のみ無料 発行から1年間は年会費が無料になり、2年目から年会費がかかる

ジェーシービーのカードは系統で年会費の考え方が変わるため、JCBの法人カードは3系統もあわせて見ると位置づけが掴めます。検索結果に並ぶ「年会費無料の法人カード」という見出しは、この3つを区別せずにまとめていることがあります。申し込む前に自分が見ているのがどの「無料」なのかを、発行会社の公式ページで確かめるのが確実です。

2年目以降もずっと無料で持てるカード

永年無料にあたるものから見ていきます。ジェーシービーは自社の比較表で、JCB Biz ONE 一般の年会費を「永年無料」と記載し、使用者追加1名ごとの年会費も「永年無料」としています。ライフカードは、ビジネスライトプラスのスタンダードについて年会費を「無料」とし、従業員カードとETCカードも同様と書いています。

2年目以降も年会費がかからない法人カード(各発行会社の公式ページより)
カード 本会員の年会費 追加・従業員カード ETCカード 発行会社
JCB Biz ONE 一般 永年無料 永年無料 1枚のクレジットカードにつき1枚発行可能 株式会社ジェーシービー
ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード) 無料 無料(最大3枚) 無料 ライフカード株式会社
ライフカードビジネスプラス(法人カード) 無料 代表者の利用代金と合算して請求 無料 ライフカード株式会社

ポイントの条件も公式の表に出ています。JCB Biz ONE 一般は毎月の利用合計金額200円(税込)ごとに2ポイントで、還元率は1.0%と書かれています。比較対象として同じ表に載っているJCB一般法人カードは200円ごとに1ポイント、還元率0.5%です。永年無料のほうが還元率が高いという並びになっています。

「年会費無料」でも、使わないと手数料がかかるカードがある

ライフカードビジネスライトプラスの公式ページには、年会費無料の記載とは別に注記があります。入会月から翌年の入会月末日までにカードの利用がない場合、カードサービス手数料1,650円(税込)がかかるという内容です。年会費という名前ではないため「年会費無料」の表示とは矛盾しませんが、持っているだけで費用が出ない、という意味ではありません。

条件付き無料は「使わないと有料になる」型が多い

条件付き無料のカードは、条件の中身を読まないと判断できません。ジェーシービーはJCB Biz ONE ゴールドについて、年会費5,500円(税込)で初年度無料、年間100万円(税込)以上の利用で翌年度も無料になると書いています。ポケットカードのP-one Business Mastercardは、金額ではなく利用の有無が条件です。

ポケットカードのP-one Business Mastercardの公式ページ。年会費欄に初年度無料と書かれ、代表者カードのみ前年度に利用があれば次年度も無料、利用がない場合は次年度2,200円と注記されている
ポケットカードの公式ページ。年会費欄に条件がそのまま書かれており、対象が代表者カードに限られる点も読み取れる。
条件付き無料のカードと、翌年度を無料にする条件
カード 年会費 翌年度を無料にする条件 条件を満たさない場合
JCB Biz ONE ゴールド 5,500円(税込)/初年度無料 年間100万円(税込)以上の利用
P-one Business Mastercard 初年度無料 前年度にカードの利用があること(代表者カードのみ)
ライフカードビジネスライトプラス(スタンダード) 無料 年会費そのものに条件はない 利用が1年間ないとカードサービス手数料1,650円(税込)

3つを並べると、条件の重さがまったく違うことがわかります。年間100万円は月あたり約8万3,000円で、経費の決済をこのカードに寄せないと届きません。いっぽうP-one Business Mastercardは年に1回でも使えば次年度は無料です。ポケットカードは従業員カードの年会費は無料とし、代表者と従業員5名の計6枚まで発行できると書いています。

初年度のみ無料のカードは、2年目にいくらかかるか

いちばん誤解を生みやすいのが初年度のみ無料です。申し込んだ年は0円なので「年会費無料のカード」として記憶に残りますが、2年目から通常の年会費が請求されます。金額はカードによって1,000円台から1万円台まで開きます。

初年度のみ無料のカードと、2年目以降の年会費(各発行会社の公式ページより)
カード 初年度 2年目以降 追加・使用者カード
JCB一般法人カード 無料 1,375円(税込)/1枚目が無料なら追加も無料
JCBゴールド法人カード 無料 3,300円(税込)/1枚目が無料なら追加も無料
EX Gold for Biz S(オリコ) 無料 公式ページに記載なし

ジェーシービーの比較表には、見落としやすい但し書きが添えられています。切り替えの方は初年度年会費無料の対象となりませんという注記です。すでに同社のカードを持っていて別のカードへ移る場合、初年度から年会費がかかることになります。新規で申し込む人と切り替える人で、初年度の負担が変わる点は押さえておく必要があります。

オリコのEX Gold for Biz Sは、公式ページの年会費欄に「初年度:無料/次年度:3,300円(税込)」と明記されています。同じページでETCカードの年会費は無料と案内されているため、2年目以降に出ていくのは本会員の3,300円です。

「無料」でも、追加カードとETCで差が出る

年会費が同じ0円でも、何枚まで無料で配れるかはカードごとに違います。従業員に持たせる前提なら、本会員の年会費より追加カードの条件のほうが総額に効いてきます。

追加カードとETCカードの扱い(公式ページの記載)

JCB Biz ONE 一般

使用者追加1名ごとの年会費も永年無料。ETCカードは1枚のクレジットカードにつき1枚まで発行できます。

ライフカードビジネスライトプラス

従業員カードは最大3枚で年会費無料。ETCカードも無料です。従業員カードは代表者カードの限度額内での利用になります。

P-one Business Mastercard

代表者と従業員5名の計6枚まで。従業員カードの年会費は無料で、すでに5枚ある場合は追加申込みができません。

各発行会社の公式ページに書かれている内容を並べた。枚数の上限と年会費の有無は別々に確認する必要がある。

ETCカードの枚数も分かれます。ジェーシービーの比較表では、JCB Biz ONE 一般が「1枚のクレジットカードにつき1枚発行可能」であるのに対し、JCB一般法人カードとJCBゴールド法人カードは「複数枚発行可能」と書かれています。営業車が複数ある会社では、永年無料のカードがかえって合わないことがあるという意味です。

申し込む前に確かめる4点

年会費の表示を読むときの順番

1 どの「無料」かを見る永年無料か、条件付きか、初年度のみか。公式ページの年会費欄に括弧書きや注記があれば、そこに条件が書かれています。

2 年会費以外の手数料を探すライフカードのカードサービス手数料1,650円(税込)のように、年会費とは別の名前で費用が設定されていることがあります。

3 切り替えかどうかを確認するジェーシービーは、切り替えの場合は初年度年会費無料の対象にならないと明記しています。同じカードでも新規と切り替えで条件が変わります。

4 必要な枚数を数える従業員カードの上限とETCカードの発行枚数は、カードごとに違います。本会員が無料でも、必要枚数を配れないことがあります。

申込対象の年齢条件も、公式の比較表に書かれています。JCB Biz ONE 一般とJCBゴールド法人カードはカード使用者が18歳以上、JCB一般法人カードは20歳以上です。いずれも法人代表者または個人事業主が対象で、JCBはフリーランスや副業も含むと注記しています。

年会費が有料でも割に合う場合

ジェーシービーは同じページで、年会費無料のカードと有料のカードの違いを整理しています。年会費が高くなるほど付帯する特典やサービスが充実する傾向があり、旅行傷害保険の補償、空港ラウンジ、コンシェルジュといった項目で差が出るという説明です。年会費無料のカードでは、空港ラウンジサービスは「なしの場合が多い」と書かれています。

いっぽうで、支払い機能やポイントの仕組み、ETCカードの発行といった基本的な機能には、年会費の有無による大きな違いはないとも明記されています。出張や接待が少なく、決済と経費の集約だけが目的なら、永年無料のカードで足りるという読み方ができます。年会費は経費として計上できる点にもページは触れています。年会費の高いカードがどこで差を付けているかは、法人カードのステータスとはで年会費とランクの関係として整理しています。

よくある質問

法人カードで本当にずっと無料のものはありますか

あります。ジェーシービーは自社の比較表でJCB Biz ONE 一般の年会費を「永年無料」と記載しています。ライフカードもビジネスライトプラスのスタンダードについて年会費を無料としています。

年会費無料なら持っているだけで費用はかかりませんか

カードによります。ライフカードビジネスライトプラスは、入会月から翌年の入会月末日までに利用がない場合、カードサービス手数料1,650円(税込)がかかると公式に書かれています。年会費とは別の名目なので、年会費欄だけを見ると気づけません。

初年度無料のカードは、2年目にいくらかかりますか

カードごとに違います。JCB一般法人カードは1,375円(税込)、JCBゴールド法人カードは11,000円(税込)、オリコのEX Gold for Biz Sは3,300円(税込)と、それぞれの公式ページに記載されています。

すでに持っているカードから切り替える場合も初年度は無料ですか

ジェーシービーの比較表には「切り替えの方は初年度年会費無料の対象となりません」と注記されています。新規の申込みと同じ条件にはなりません。

従業員の分も無料で発行できますか

枚数の上限があります。ライフカードビジネスライトプラスの従業員カードは最大3枚、P-one Business Mastercardは代表者を含めて計6枚までです。JCB Biz ONE 一般は使用者追加1名ごとの年会費も永年無料と記載されています。

出典

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