法人カードで税金を払うと手数料はいくら?国税は1万円ごとに99円、地方税は初回40円+75円(税別)

10万円を納付したときの国税990円と地方税783円、その差207円を3枚のカードで並べた図
自作の図版です

法人税や消費税を法人カードで納めると、ポイントは付くけれど手数料も取られます。得なのか損なのかは、手数料率と手持ちのカードの還元率を並べれば決まる話です。この記事では、国税庁と地方税共同機構が公表している手数料の表をそのまま持ってきて、金額ごとの実質的な負担率と、損益が分かれる還元率を計算しました。掲載内容は2026年10月7日に両機関の公式ページで表示されていたものです。

先に結論

  • 国税の決済手数料は納付税額1万円ごとに99円(税込)。1円から10,000円までが99円、10,001円から20,000円までが198円と階段状に上がります。
  • 地方税のシステム利用料は1円から10,000円までが40円で、以降は1万円ごとに75円(税別)が加算されます。国税より安い設計です。
  • 10万円を納めると、国税は990円、地方税は約783円。同じ金額でも207円ほど違います。
  • 損益分岐の還元率は国税で0.99%、地方税で0.8%前後。還元率0.5%のカードでは、どちらもほぼ確実に持ち出しになります。
  • 金額が1万円の倍数をわずかに超えると段が1つ上がります。10,001円を納めると手数料率は1.98%にはね上がります。

国税は1万円ごとに99円。階段の上がり方に注意する

国税のクレジットカード納付は、国税庁長官が指定した納付受託者(株式会社エフレジ)が運営する「国税クレジットカードお支払サイト」を経由して行います。カード会社がいったん税金を立て替え、あとで利用者へ請求する仕組みです。国税庁が公表している決済手数料は次のとおりで、すべて税込です。

国税の決済手数料(国税庁の公表値)
納付税額 決済手数料(税込) 実質的な負担率
1円〜10,000円 99円 10,000円のとき0.99%
10,001円〜20,000円 198円 10,001円のとき1.98%
20,001円〜30,000円 297円 30,000円のとき0.99%
30,001円〜40,000円 396円 40,000円のとき0.99%
40,001円〜50,000円 495円 50,000円のとき0.99%

国税庁は「以降も同様に10,000円を超えるごとに決済手数料が加算されます」と説明しています。つまり手数料は、納付税額を1万円単位に切り上げた段数に99円を掛けた額になります。ここで効いてくるのが段の上がり方です。ちょうど1万円の倍数なら負担率は0.99%ですが、そこを1円でも超えると次の段へ移るため、小さい金額ほど率が跳ねます。10,001円を納めるときの198円は、納付税額に対して1.98%です。

国税庁のクレジットカード納付の手続ページで、納付税額ごとの決済手数料の表を示した公式画面のキャプチャ
国税庁「G-2-4 クレジットカード納付の手続」。決済手数料の表と、利用可能額・利用可能なカードブランドが並ぶ(2026年10月7日表示)。出典:国税庁

国税庁は、この決済手数料について「国の収入になるものではありません」と明記しています。納付受託者へ支払う手数料であり、税額が増えるわけではありません。実際の金額は「国税クレジットカードお支払サイト」でシミュレーション計算ができる、とも案内されています。

地方税は初回40円から。国税より安い料率になっている

法人住民税や法人事業税などの地方税は、eL-QR付き納付書を使って「eLお支払サイト」から納めます。こちらで発生するのは決済手数料ではなく「システム利用料」という名前ですが、負担する側から見れば同じものです。地方税共同機構が公表している表は次のとおりです。

地方税のシステム利用料(地方税共同機構の公表値)
納付金額 システム利用料(税込) 実質的な負担率
1円〜10,000円 40円 10,000円のとき0.40%
10,001円〜20,000円 123円 20,000円のとき0.62%
20,001円〜30,000円 205円 30,000円のとき0.68%
30,001円〜40,000円 288円 40,000円のとき0.72%
40,001円〜50,000円 370円 50,000円のとき0.74%

以降は、納付額10,000円ごとにシステム利用料75円(消費税別)が加算されます。税込に直すと82円50銭なので、最初の1万円だけ40円と安く、2段目からは1万円あたり82円50銭ずつ増えていく形です。国税の1万円あたり99円と比べると、1段あたりで16円50銭の差があります。

地方税共同機構のご利用可能なお支払い方法のページで、クレジットカードのシステム利用料の表を示した公式画面のキャプチャ
地方税共同機構「ご利用可能なお支払い方法」。クレジットカードのシステム利用料と、以降1万円ごとに75円(税別)が加算される旨が書かれている(2026年10月7日表示)。出典:地方税共同機構

同じ金額を納めたときの差を並べる

納付額ごとに両方の手数料を計算すると、差がはっきりします。地方税の列は、最初の1万円が40円、2段目以降は1段あたり82円50銭という公表の仕組みから計算した金額です。実際に請求される額は、支払いを確定する前にサイトの画面で表示されます。

納付額ごとの手数料と負担率の比較
納付額 国税の決済手数料 国税の負担率 地方税のシステム利用料 地方税の負担率 差
10,000円 99円 0.99% 40円 0.40% 59円
50,000円 495円 0.99% 370円 0.74% 125円
100,000円 990円 0.99% 約783円 約0.78% 約207円
500,000円 4,950円 0.99% 約4,083円 約0.82% 約867円
1,000,000円 9,900円 0.99% 約8,208円 約0.82% 約1,692円

国税の負担率は、納付額が1万円の倍数である限り0.99%で動きません。地方税は最初の1万円が安いぶん、金額が大きくなるにつれて0.825%へ近づいていきます。どちらも金額が大きいほど率が一定に収れんするので、「まとめて払えば率が下がる」という性質はありません。

損益が分かれる還元率はどこか

カード納付で得をするかどうかは、手数料率を還元率が上回るかどうかだけで決まります。国税なら0.99%、地方税なら0.8%前後が分岐点です。手持ちのカードの還元率を当てはめると、次のように分かれます。

還元率別に見た損益

0.5%のカード

国税・地方税のどちらでも持ち出しになります。10万円の納付で、国税なら990円払って500円相当が戻る計算です。

1.0%のカード

国税はほぼ横ばい、地方税はわずかにプラスです。10万円の納付で地方税なら、約783円の負担に対して1,000円相当が戻ります。

1.5%のカード

どちらもプラスです。ただし税金の支払いが還元率の対象外になっていないかを、カード会社の規約で確かめてください。

還元率より効く要素

支払いを翌月以降へ繰り延べられること、利用枠の範囲内で資金繰りを調整できることを目的にするなら、手数料は資金調達の費用として見る考え方もあります。

カードによっては税金の支払いがポイント付与の対象外、または還元率が下がります。このページの計算は「通常の還元率がそのまま付く」と仮定した場合のものです。申し込む前に、利用するカードの会員規約やポイントプログラムの規定で、公共料金・税金の扱いを必ず確認してください。

手数料のほかに効く条件が5つある

金額の比較だけで決めると、あとで困る条件がいくつかあります。国税庁が公表している注意事項のうち、法人の経理で効いてくるものを並べます。

カード納付を選ぶ前に確かめること

  • 領収証書は発行されません。必要な場合は、金融機関か所轄の税務署の窓口で納付することになります。
  • 納付手続が完了すると取消しできません。金額や税目を間違えても、サイト上では戻せません。
  • 1度の手続につき1,000万円未満、かつカードの決済可能額以下(決済手数料を含む)という上限があります。
  • 納税証明書への反映が遅れます。納付受託者が立替払いを行うまでの間(最大3週間程度)、証明書にはクレジットカード納付が行われている旨が記載されます。
  • 印紙税や登録免許税で印紙を貼る必要がある場合は使えません。源泉所得税で納税告知書が届いていない場合も、サイトからではなくe-Taxから手続きします。

特に3点目と4点目は、入札参加資格や許認可の申請で納税証明書を使う会社にとって無視できません。証明書の取得予定があるなら、期日から逆算して納付方法を選んでください。

使えるカードブランドは5つ。法人カードもそのまま使える

国税庁が挙げている利用可能なクレジットカードは、Visa、Mastercard、JCB、American Express、Diners Clubの5ブランドです。地方税のeLお支払サイトも同じ5ブランドのロゴを掲示しています。法人名義のカードでも、これらのブランドが付いていれば使えます。

国税の利用可能税目は「全ての税目」とされており、法人税、消費税及び地方消費税、申告所得税などが対象です。利用可能時間は24時間で、メンテナンス時を除いて夜間でも手続きできます。ただしe-Tax経由でアクセスする場合は、e-Taxの利用可能時間に限られます。

よくある質問

法人税をカードで払うと手数料はいくらですか。
納付税額を1万円単位に切り上げた段数に99円を掛けた額です。10万円なら990円、100万円なら9,900円になります。いずれも税込で、国の収入にはなりません。
地方税のほうが手数料は安いのですか。
安く設計されています。最初の1万円が40円で、以降は1万円ごとに75円(税別)の加算です。10万円の納付で比べると、国税990円に対して地方税は約783円でした。
還元率1%のカードなら得ですか。
国税はほぼ横ばい、地方税はわずかにプラスという水準です。ただし税金の支払いがポイントの対象外になっているカードもあるため、規約の確認が先です。
領収証書はもらえますか。
発行されません。国税庁は、領収証書が必要な場合は最寄りの金融機関または所轄の税務署の窓口で納付するよう案内しています。
いくらまで払えますか。
国税は1度の手続につき1,000万円未満で、かつ利用するカードの決済可能額以下です。この金額には決済手数料も含まれます。
間違えて納付したら取り消せますか。
取り消せません。国税庁は「納付手続が完了すると、その納付手続の取消しはできません」と明記しています。金額と税目を確定前に確認してください。
コンビニや税務署の窓口でカード払いできますか。
できません。国税のクレジットカード納付はインターネット上のみの手続で、金融機関・コンビニ・税務署の窓口ではカードによる納付はできないと案内されています。

この記事で確認した一次情報

  • 国税庁「G-2-4 クレジットカード納付の手続」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/nofu-shomei/nofu/credit_nofu/index.htm(納付受託者は株式会社エフレジ、決済手数料は1円〜10,000円で99円・以降1万円を超えるごとに加算、利用可能額は1度につき1,000万円未満かつ決済可能額以下、利用可能なカードはVisa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Club、利用可能時間は24時間、領収証書は発行されない、納付手続の取消しはできない、納税証明書への反映は最大3週間程度、印紙税や登録免許税で印紙貼付が必要な場合は利用できない、決済手数料は国の収入にならない)
  • 地方税共同機構「ご利用可能なお支払い方法」https://www.lta.go.jp/elqr/tejun/kessaihoho/(クレジットカードのシステム利用料は1円〜10,000円で40円、10,001円〜20,000円で123円、20,001円〜30,000円で205円、30,001円〜40,000円で288円、40,001円〜50,000円で370円、以降は納付額10,000円ごとに75円(消費税別)が加算、利用できるのはVisa・Mastercard・JCB・American Express・Diners Clubのロゴが付いたカード)
  • 国税庁「クレジットカード納付のQ&A」https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/nofu-shomei/nofu/credit_nofu/credit_qa.htm(クレジットカード納付の手続に関する国税庁の質疑応答)

掲載内容は2026年10月7日に国税庁および地方税共同機構のページで表示されていたものです。手数料の表は改定されることがあります。実際に請求される金額は、各お支払サイトで確定前に表示される金額をご確認ください。この記事は情報提供であり、税務の助言ではありません。

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