会社を立ち上げたばかりの方は、法人カードにしろ、法人デビットカードにしろ、何らかの国際ブランドで決済する法人名義のカードを持たないと、ビジネスがしにくい状況になってきています。これは、オンラインのビジネスサービスが増えているからです。では、法人デビットカードと法人クレジットカード(法人カード)は、どちらを持つべきなのでしょうか?
法人カードと法人デビットカードは併用がおすすめ
筆者は法人クレジットカード(法人カード)と法人デビットカードは、併用すべきと考えます。
法人クレジットカード(法人カード)と法人デビットカード比較
比較項目 | 法人デビットカード | 法人クレジットカード |
---|---|---|
発行主体 | 銀行 | クレジットカード会社 |
使える国際ブランド | Visa、Mastercard、JCB、J-Debit | Visa、Mastercard、JCB、AMEX、diners、Unionpay |
ポイント還元率相場 | 0.0%~0.5% | 0.5%~1.5% |
還元方法 | キャッシュバック型が多い | ポイントプログラムが多い |
支払いタイミング | 決済時にリアルタイムで紐づいた口座から引き落とし | 1カ月~2か月後に登録口座から引き落とし |
優待特典 | ほぼない | カードごとにある |
審査 | 審査なし(口座が作れる方なら発行可能) | 審査あり |
使えないケース | 継続支払い、一部店舗 | なし |
限度額 | 預金残高の範囲内で使える | カードごとに設定される30万円~500万円 |
法人カードと法人デビットカードの併用をおすすめする理由
理由その1.法人デビットカードの方が審査なしで先に作れる(法人クレジットカードの審査落ちリスクをカバー)
法人クレジットカード → 法人口座開設後に作るカード(法人口座からの引き落としになる)
特徴があります。
設立直後の会社の場合は
- まずは法人口座の開設依頼(同時に法人デビットカードを作る)
- その後に法人クレジットカードの申込
という順番になります。
法人クレジットカードを作ろうとしたら、法人デビットカード(法人口座)がそもそも必要になるのです。
基本的に
法人クレジットカードは、審査があるため、法人口座があっても、審査落ちの可能性があります。
だとすれば、法人口座開設時に合わせて法人デビットカードを作っておいて損はないということです。
注意点
法人口座の開設にも、銀行の審査が必要になります。事業歴がない会社の場合は、メガバンクですと審査が落ちてしまうケースも少なくありませんので、ネット銀行の法人口座の開設をおすすめします。
理由その2.法人デビットカードは、預金の範囲内であればほぼ無制限で使える
(法人クレジットカードの限度額の低さをカバー)
法人クレジットカードの限度額は、審査によって決まるのですが
はじめて法人クレジットカードを作った場合
- 30万円~50万円程度の少額の限度額
に設定されることが少なくありません。
法人クレジットカードの限度額は、月単位にすると半分ぐらいしか利用できないため、
- 50万円の限度額 → 毎月使えるのは25万円程度
となってしまうのです。
このときに法人デビットカードを持っていれば、法人デビットカードは預金残高の範囲内であれば、限度額なしで利用できるため、いざという時の支払いができない状況を回避できるのです。
一部の法人デビットカードでは、利用額の上限が設定されているものもあります。
理由その3.法人デビットカードは、法人クレジットカードと違う国際ブランドを付けられる
(法人クレジットカードの利用できる加盟店をカバー)
法人クレジットカードも、高いステイタス性のカードを選んでしまうと
- Diners
- AMEX
ブランドになることが多く、日本では使えない加盟店もありますし
- JCB
では、日本では使えるけど、海外では使えない加盟店が多いのです。
理由その4.法人クレジットカードの方が資金繰りが良い
(法人デビットカードの資金効率の悪さをカバー)
- 法人クレジットカード → 支払いから1カ月~2カ月後に引き落とし
- 法人デビットカード → 支払い時にリアルタイムで引き落とし
ですから、会社の資金繰り(キャッシュフロー)効率を上げるためには
法人クレジットカードでの支払いを優先すべき
なのです。
法人クレジットカードが利用できない時に法人デビットカードを使うべきなのです。
理由その5.法人クレジットカードの方が使える支払いが多い
(法人デビットカードの使えない支払いをカバー)
法人デビットカードには利用できない加盟店(支払い)というものがあります。
- ETC料金
- ガソリンスタンド
- 金融商品
- コンビニでの公共料金支払い
- 電子マネーチャージ
などです。
このような支払いで利用するのは、法人クレジットカードなのです。
理由その6.法人クレジットカードの方がポイント還元率が高い
(法人デビットカードのポイント還元率の低さをカバー)
基本的には
- 法人クレジットカードのポイント還元率:高い
- 法人デビットカードのポイント還元率:低い
という関係にあります。
理由その7.法人クレジットカードの方が優待サービスが手厚い
(法人デビットカードの優待サービスの手薄さをカバー)
法人デビットカードには
- コンシェルジュデスク
- 海外空港ラウンジ
- レストラン優待
- ホテル優待
- 海外旅行傷害保険
- ショッピング保険
と言った、法人クレジットカードにある優待サービスは、ほぼ付帯されていません。(一部のゴールドカードスペックの法人デビットカードには付帯されていることもある)
高いレベルの優待サービスを利用するためには、法人デビットカードよりも、法人クレジットカードが適しているのです。
考察
法人デビットカードのデメリットである
- 資金繰りの効率が悪くなる
- ポイント還元率が低い
- 使えない加盟店(支払い)がある
- ETCカードがない
- 優待サービスがない
という点を法人クレジットカードでカバーする
法人クレジットカードのデメリットである
- 審査がある
- 限度額が低めの設定
- 国際ブランドによっては、加盟店で利用できないケースがある
という点を法人デビットカードでカバーする
ことができるため、
なのです。
おすすめの法人デビットカードランキングはこちら
法人カードと法人デビットカードの併用する方法
優先的に
- ポイント還元率が高い
- 優待サービスが手厚い
- 資金繰り効率が良い
法人クレジットカードでの支払いをする
法人クレジットカードで
- 使えない国際ブランド
- 限度額が上限に達してしまった時
- 審査がなかなか通らない時
に法人デビットカードを利用する
というのがおすすめの併用方法です。
法人カードと法人デビットカード最強の組み合わせ
コストパフォーマンス追求型でおすすめ
- 法人クレジットカード(法人カード):NTTファイナンス Bizカード レギュラー
+ - 法人デビットカード:住信SBIネット銀行 ビジネスデビットカード(Mastercard)
おすすめの理由
NTTファイナンス Bizカード レギュラーは
- Visaブランド
- 年会費永年無料
- ポイント還元率:1.0%
住信SBIネット銀行 ビジネスデビットカード(Mastercard)は
- Mastercardブランド
- 年会費永年無料
- ポイント還元率:0.8%
国際ブランドも、VisaとMastercardですから、この両者を利用できれば、クレジットカードを使える加盟店で、使えない加盟店はほぼありません。
国際ブランド | Visa |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 0円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 1.00% |
ポイント還元率/上限 | 1.00% |
ポイント倍増方法 | - |
- |
- |
審査に自信がない方におすすめ
- 法人クレジットカード(法人カード):EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)
+ - 法人デビットカード:GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットカード
おすすめの理由
EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)は、会社設立直後にどの法人カード審査にも通らなかったときに作ることができた法人カードです。
GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットカードも、会社を10社作ったときに、会社設立直後に10社とも法人口座が開設できた法人デビットカードです。
EX Gold for Biz M(エグゼクティブ ゴールド フォー ビズ エム)でMastercardブランドを選べば、国際ブランドも、VisaとMastercardですから、この両者を利用できれば、クレジットカードを使える加盟店で、使えない加盟店はほぼありません。
国際ブランド | Visa,Mastercard® |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 2,200円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 0.50% |
ポイント還元率/上限 | 1.10% |
ポイント倍増方法 | ●クラステージ 200万円利用・翌年:2倍 ●法人カード 翌年:+20% |
【年会費特典】初年度年会費無料 |
- |
発行会社 | GMOあおぞらネット銀行 |
国際ブランド | VISA,Mastercard |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 0円 |
キャッシュバック還元率下限 | 1.00% |
キャッシュバック還元率上限 | 1.50% |
ポイント還元率下限 | - |
ポイント還元率上限 | - |
第三者不正使用保険 | ○1000万円 |
接待や出張の機会が多い方におすすめ
- 法人クレジットカード(法人カード):セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
or - 法人クレジットカード(法人カード):ANAダイナースカード+ビジネス・アカウントカード
+ - 法人デビットカード:GMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットカード
おすすめの理由
セゾンプラチナ・ビジネス・アメリカン・エキスプレス・カード
→ JALマイル還元率:1.125%
ANAダイナースカード+ビジネス・アカウントカード
→ ANAマイル還元率:1.0%
→ 入会ボーナス/継続ボーナス:2,000マイル
→ フライトボーナス:+25%
と、どちらも効率的にマイルを貯めることができ
- レストラン優待
- ホテル優待
- 海外旅行傷害保険
- 海外空港ラウンジ
- コンシェルジュデスク
が利用できる法人カードです。
相方となる法人デビットカードは
- Visaブランド
- キャッシュバック率:1.0%
のGMOあおぞらネット銀行ビジネスデビットカードをおすすめします。
国際ブランド | AMEX(アメックス) |
初年度年会費(税込) | 22,000円 |
2年目~年会費(税込) | 22,000円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 0.50% |
ポイント還元率/上限 | 1.00% |
ポイント倍増方法 | ●海外利用 海外利用:2倍 |
【年会費特典】初年度年会費無料 |
- |
国際ブランド | Diners |
初年度年会費(税込) | 29,700円 |
2年目~年会費(税込) | 29,700円 |
年会費優遇条件 | アカウントカード年会費5,500円(税込)が必要 |
ポイント還元率/基本 | 0.40% |
ポイント還元率/上限 | 0.80% |
ポイント倍増方法 | ●ポイントアップ加盟店 ホテル:2倍 レストラン:2倍 ショップ:2倍 |
- |
【新規入会+利用】最大77,000マイル |
発行会社 | GMOあおぞらネット銀行 |
国際ブランド | VISA,Mastercard |
初年度年会費(税込) | 0円 |
2年目~年会費(税込) | 0円 |
キャッシュバック還元率下限 | 1.00% |
キャッシュバック還元率上限 | 1.50% |
ポイント還元率下限 | - |
ポイント還元率上限 | - |
第三者不正使用保険 | ○1000万円 |
最高レベルのサービスを利用したい方におすすめ
- 法人クレジットカード(法人カード):ラグジュアリーカード/Mastercard Gold Card
or - 法人クレジットカード(法人カード):アメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カード
+ - 法人デビットカード:楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)
おすすめの理由
ラグジュアリーカード/Mastercard Gold Cardとアメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カードは、説明する必要がない年会費10万円を超える最高レベルの法人カードです。
相方になぜ、楽天銀行ビジネスデビットカード(JCB)を選んだかと言うと
- キャッシュバック率:1.0%
- ~3,000万円以内/回の限度額設定
- 利用限度額:法人口座の普通預金残高の範囲内
と、限度額の設定上限が大きいのです。
国際ブランド | Mastercard® |
初年度年会費(税込) | 220,000円 |
2年目~年会費(税込) | 220,000円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 1.50% |
ポイント還元率/上限 | 3.30% |
ポイント倍増方法 | 商品券との交換 |
- |
- |
国際ブランド | AMEX(アメックス) |
初年度年会費(税込) | 143,000円 |
2年目~年会費(税込) | 143,000円 |
年会費優遇条件 | - |
ポイント還元率/基本 | 0.50% |
ポイント還元率/上限 | 5.00% |
ポイント倍増方法 | ●ボーナスポイント・パートナーズ 高島屋オンラインストア :2倍 じゃらん :2倍 Oisix (おいしっくす) :2倍 アイシティ:3倍 イモトのWiFi :5倍 レストラン・ホテル:2倍~10倍 ●メンバーシップ・リワード・プラス ポイント交換レート:2倍 |
- |
- |
発行会社 | 楽天銀行 |
国際ブランド | JCB |
初年度年会費(税込) | 1,100円 |
2年目~年会費(税込) | 1,100円 |
キャッシュバック還元率下限 | 1.00% |
キャッシュバック還元率上限 | 1.00% |
ポイント還元率下限 | - |
ポイント還元率上限 | - |
第三者不正使用保険 | - |