法人ETCカードとは、一旦何のことを言うのでしょうか?今回は、法人ETCカードとは?法人ETCカードの種類・メリットデメリットについて丁寧に解説します。
法人ETCカードとは?
法人ETCカードとは
を言います。
ETCカードとは
を言います。
ETCシステム(Electronic Toll Collection System)を利用するときには
- ETC車載器
- ETCカード
が必要になり、ETC車載器にETCカードを挿入した状態で
- ETCレーン
を通過することで、料金の支払いが完了します。
「ETCカードでETCレーンを通過したときにどうやって支払いが発生するの?」
ETC車載器とETCレーンに設置されたアンテナで「無線通信」を行います。
無線通信によって、その車の有料道路への入場、退出を管理し、「いくらの料金の支払いが発生するのか?」を計算し、通行料金の情報がETC車載器に伝わるのです。
ETC車載器が受け取った情報は、ETCカードに行き、ETCカードが決済を行います。
決済の方法は、主に
- ETCカードにあらかじめデポジットされていた保証金から支払う
- ETCカードに付随したクレジットカードからカード払いで支払う
形になります。
法人、法人経営者、個人事業主は、ビジネス目的で「有料道路(高速道路)」を使う機会は少なくありません。
- 営業で車を使う
- 配送で車を使う
- 配達で車を使う
- 出張で車を使う
- 移動に車を使う
- イベントで車を使う
- 送迎で車を使う
- 出社、退社に車を使う
上記のような車をビジネス目的に使う際に「有料道路(高速道路)」料金を支払う手段が「法人ETCカード」なのです。
同じ有料道路の料金を支払うのに個人のETCカードではなく、法人ETCカードを使う理由は何でしょうか?
大きな理由は
「個人の支払い(プライベートの支払い)」と「法人の支払い(ビジネスの支払い)」を混同してしまうと
- 税務上の問題が発生する
- 経費精算の手間が発生する
- 経費精算のお金のトラブルが発生する
という3つのデメリットがあるからです。
税務上の問題が発生する
例えば、
会社の経営者が個人用のETCカードで
- プライベートの旅行の有料道路料金の支払い
- 会社の国内出張の有料道路料金の支払い
をしていた場合
どちらも会社の経費として処理しなければ
→ 「会社の国内出張の有料道路料金の支払い」の経費計上がなくなり、税金が増えるため、損をする
どちらも会社の経費として計上してしまえば
→ 税務署から個人の利用を経費計上したことによる「脱税」になってしまい、重加算税や罰則などを受ける可能性が出てくる
経費精算の手間が発生する
例えば
会社の従業員が個人用のETCカードで
- 会社の国内出張の有料道路料金の支払い
をしていた場合
有料道路料金の立替が発生するため、会社に戻ってから、立替申請書を作成し、経理に提出して、代金を受け取る必要があります。
- 社員の手間
- 経理の手間
が都度、発生することになってしまうのです。
経費精算のお金のトラブルが発生する
同様に社員が立て替える形で有料道路料金を支払ってしまうと
- 立て替え申請を忘れて、社員が負担することになる
- お金のやり取りでのトラブルが発生する
デメリットがあります。
上記のように
- 税務上の問題が発生する
- 経費精算の手間が発生する
- 経費精算のお金のトラブルが発生する
という問題があるため、
- 個人・プライベートでの車の利用時 → 個人のETCカードを利用する
- 法人・ビジネスでの車の利用時 → 法人ETCカードを利用する
という使い分けが必要になるのです。
法人ETCカードであれば
- 法人口座からの口座振替(利用明細で履歴を確認可能)
- 請求書
での支払いになるため、経費として処理する手間がなく、従業員が使っても、立て替えなしで会社の経費として処理できるのです。
法人ETCカードの種類
法人ETCカードには大きく分けて
- クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカード
- 協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカード
の2種類が存在します。
クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカード
クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカードとは
基本的にほとんどの法人カードでは、追加カードとしての法人ETCカードの発行に対応しています。
クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカードのETC料金の支払い方法
法人ETCカードをETC車載器に挿入して、ETCレーンを通った場合に、法人ETCカードに送られた有料道路料金の情報は、親カード(法人カード)の支払いとしてクレジット決済が行われ、後日、自動的に親カード(法人カード)の登録口座(法人口座)から引き落とされることになります。
ということです。
一般的にはETC料金の支払い発生から、1カ月~2カ月後に登録口座(法人口座)から引き落とされます。※締め日、引き落とし日はクレジットカード会社によって異なり、親カードの法人カードの設定に準じます。
クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカードのメリットデメリット
メリット
- 法人ETCカードの発行コスト・保有コストが安い
- 親カードのポイント還元率でポイントが貯まる(マイル・キャッシュバックも)
- 1枚の親カード(法人カード)に対して、複数枚の法人ETCカードが発行できる
- 親カード(法人カード)は、ETC料金以外の経費支払いにも利用できる
デメリット
- 親カード(法人カード)の発行には審査がある
クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカードランキング
協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカード
協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカードとは
を言います。
協同組合とは、共通する目的のために個人あるいは中小企業者等が集まり、組合員となって事業体を設立して共同で所有し、民主的な管理運営を行っていく非営利の相互扶助組織のことを言います。農協や生協も、協同組合です。
ETCカードの発行を目的うとした協同組合「高速道路組合」「ETC協同組合」があり、これらの協同組合は、クレジット機能のない法人ETCカードを発行しているのです。
協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカードのETC料金の支払い方法
協同組合というのは、基本的には、参加する企業が出資をして、その資金で事業を運営する形を取ります。
法人ETCカードの場合は
- 出資金(デポジット)を1社1万円
を支払う形で、組合に参加することで法人ETCカードを発行することができます。
法人ETCカード発行時に設定した引き落とし口座から、口座振替で利用料金が引き落とされる形となり、利用明細は請求書という形で毎月送られてきます。
協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカードのメリットデメリット
メリット
- 親カード(法人カード)の発行には審査がない(クレジット機能がないため)
デメリット
- 法人ETCカードの発行コスト・保有コストが高い
- ポイントが貯まらない
- ETC料金以外の経費支払いにも利用できない
協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカードランキング
クレジット機能のないおすすめ法人ETCカードはこちら
法人ETCカードの作り方
クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカード
- 法人カードに申込(同時に法人ETCカードの申込)※同時でなくても可能です。
- クレジットカード会社の審査
- 審査通過
- 申込書類の送付
- 申込書類の返送、必要書類(本人確認書類、口座振替依頼書など)の送付
- 法人カード、法人ETCカードの発行、郵送
- 法人カード、法人ETCカードの到着
申し込みから法人ETCカード到着までのスピード
- 一番早いケース:1週間程度
- 平均的なケース:2週間~3週間
- 一番遅いケース:1カ月~1カ月半
必要書類
- 本人確認資料
(登記簿謄本が必要なものもある)
(決算書が必要なものもある)
協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカード
- 法人ETCカードに申込
- 申込書類の送付
- 申込書類の返送、必要書類(本人確認書類、口座振替依頼書など)の送付
- 出資金の入金
- 法人ETCカードの発行、郵送
- 法人ETCカードの到着
申し込みから法人ETCカード到着までのスピード
- 2週間~3週間
必要書類
- 本人確認資料
- 登記簿謄本
- 個人事業主の場合、確定申告書
- カードを申請する車両の車検証
- 申請車両のETC車載器セットアップ証明書
- 代表者の運転免許証、住民票、健康保険証
法人ETCカードのよくある質問
「クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカード」と「協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカード」はどっちがおすすめですか?
協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカードは
- 1社1万円の出資金が必要(退会時返金)
- 走行手数料がETC料金の5%~8%
- 発行手数料:550円~880円/枚
- 年会費(税込):550円~880円/枚
と、負担するコストが高額になってしまう大きなデメリットがあります。
協同組合は、相互扶助組織であり、クレジットカード会社と違って、ETC料金の支払いのみでしか収益がないため、
- 発行手数料・年会費 → カードの発行に関する費用、カード自体の費用の捻出
- 走行手数料 → 保証会社の保証料、請求書発行の事務手数料の捻出
という形で、費用が割高となってしまうのです。
その上
- ポイントなどが貯まらない(※ETCマイレージは除く)
ため、
ただし、唯一「協同組合が発行するクレジット機能なしの法人ETCカード」を作るべきケースがあります。
それは
法人カードの審査に通らないとき
です。
「クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカード」は、親カードの法人カードがあることを前提として、発行できる追加カードです。
「法人カード審査に通らない」方は、法人ETCカードを持つことができないのです。
- 創業、起業して間もない
- 保有している法人カードの枚数が多い
- 保有している法人カードの利用額が多い
- 不渡り、破産など過去に返済事故を起こしている
- 経営者個人の保有しているクレジットカードの枚数が多い
- 経営者個人の保有しているクレジットカードの利用額が多い
- 経営者個人が返済遅延、自己破産などの返済事故の経験がある
などの理由で、法人カードの審査に通らない会社経営者、個人事業主は少なくありません。
法人カードの審査は、個人のクレジットカードと比較すると、かなり厳しく設定されているのです。
お金を一切かけずに法人ETCカードを作る方法はありますか?
あります。
クレジットカード(法人カード)に追加カードとして発行する法人ETCカードであれば
- 親カードの年会費(税込):永年無料
- 法人ETCカードの発行手数料:無料
- 法人ETCカードの年会費(税込):永年無料
- 出資金・保証金:不要
- 走行手数料:不要
で発行できる法人ETCカードが数枚存在します。
また、多少お金が発生したとしても、親カードの年会費の1,000円程度のコスト負担ですので、かなりコストを抑えて法人ETCカードを発行することが可能です。
「法人ETCカードの種類を教えてください。」
「法人ETCカードのメリットデメリットを教えてください。」