2017年に設立された法人カードを発行する会社「Brex(ブレックス)」が躍進しているというニュースです。
Brex(ブレックス)
Brex(ブレックス)は
です。
何が画期的かというと
- スタートアップ(起業直後の企業)に5分で法人カードを発行する
- 限度額が、ほかの法人カードよりも高い(3倍~5倍)
- 個人保証なし
- 引き落としサイクルが1日単位
- 独自の審査
という特徴があり
スタートアップ(起業直後の企業)に、絶大な支持を受けているのです。
- 企業価値は11億ドルを突破
- 顧客数は3,000社以上
日本でも、米国でも、従来の法人カードを発行するクレジットカード会社は
- 経営者個人の信用情報
- 法人の信用情報
- 法人の経営情報(申込書などに記入)
に基づいて、審査を行います。
決算書などを見ることはないので、当然、「事業歴」「年商」という情報が、法人カード審査には重要な要素となってきます。
そのため、
起業直後で法人カード審査に落ちてしまう。
ことは、日常茶飯事なのです。
筆者自身も、起業直後に申し込んだ法人カードには、何度も落ちた経験があります。
Brex(ブレックス)は、ここに目をつけて
ビジネスモデルを採用しているのです。
実際には
- 資本金がどのくらいあるのか?
- 口座残高がどのくらいあるのか?
- どのベンチャーキャピタルから出資を受けているのか?
などから、法人カードの発行審査を行うのです。
起業直後であっても、発行できる法人カードということができます。
また、特筆する点は
個人保証を取らない
という点です。
日本の法人カードの場合は、あくまでも契約は「個人」です。引き落としが「法人口座」であるだけなのです。
法人カードで引き落としができなかった場合は、契約者である「個人」の債務になるため、「個人」が返済を行わなければならないのです。
Brex(ブレックス)は
一見、非常にリスキーなビジネスモデルのように見えますが、それでも勝算がある審査ロジックを開発したということでしょう。
さらに
Brexカードは、通常の法人カードの引き落としサイクルとは異なります。
- 通常の法人カード:月末締め、翌月末支払い
のように、月末で締めて、30日後に引き落としが発生します。
Brexカード:1月1日と1月2日に購入した場合、Brexは3月2日と3月3日の2日間に分けて法人口座から引き落とします。
「月末で締める」という概念がないのです。法人カードを使った日から60日間というような設定で、都度引き落としがかかるのです。
1日単位で引き落としがかかるのであれば、すべての支払いの資金繰りが60日分楽になることを意味しています。経理上も、すべて60日ずれるだけなので管理が簡単になるのです。
これらの今までの法人カードにない特徴が、米国、とくにシリコンバレーで受け入れられているのです。
日本の場合は、一部のカード会社であれば、起業直後でも法人カードを発行することができます。
それでも、
- 限度額がほかの法人カードの3倍~5倍
- 個人保証なし
- 引き落としが1日単位
という特徴があれば、日本でも浸透する可能性が高い法人カードと言っていいでしょう。
インターネットが発達した現代だからこそ、急速に躍進する企業が増えており、銀行融資が追いつかない現状もあるのです。また、スタートアップの支払いの大部分がネット決済になっているため、法人カードさえ用意しておけば、起業直後でも資金繰りが楽になるのは間違えないのです。
今後の日本市場への進出や、日本の企業が類似のビジネスモデルで、既存の法人カードのサービス内容にとらわれない形で法人カードを発行してくれることに期待しましょう。