トヨタレンタカーで法人カードは使える？基本の仕組み
トヨタレンタカーでは、法人向けに特化した独自の法人カード制度が用意されています。代表的なものが「TRBMカード」と「BCCカード」で、どちらも一般的な法人クレジットカードとは異なる仕組みで運用されています。
TRBMカードは、トヨタレンタカー専用のクレジット機能付き法人カードで、請求の一本化や割引料金の適用など、法人利用を前提としたメリットが多く用意されています。利用部署が限定されるケースや、ETCカードの一体運用を希望する企業にも適しています。TRBMにはカードタイプとカードレスタイプがあり、用途や社内体制に応じて柔軟に選ぶことができます。
一方、BCCカードはクレジット機能を持たない会員証型の法人カードです。現金払いや他社クレジットカードでの決済を希望する企業向けに提供されており、会員価格の適用や予約管理といった利便性を維持しながら、既存の経費精算フローを崩さずに利用できる点が特徴です。
なお、トヨタレンタカーではVISAやMastercardなどの一般的な法人カードも利用可能ですが、会員専用の割引や一括請求といった特典は適用されません。経費管理やコスト削減を重視する場合は、TRBMやBCCといった専用カードの導入を検討する価値があります。
TRBMカードのメリットと活用シーン
請求の一本化で経理処理がスムーズに
TRBMカードはトヨタレンタカー専用の法人向けハウスカードであり、すべての利用料金を月単位で一括請求・一括支払いできます。社員ごとの立替や領収書の回収が不要になるため、経理部門の業務負担が大幅に軽減されます。複数の社員が頻繁にレンタカーを使う企業ほど、効率化のメリットは大きくなります。
TRBM会員限定の特別料金が適用される
通常料金よりも割安な「法人会員料金」が適用され、長期利用や繁忙期の出張でもコストを抑えやすくなります。また、TRBM会員向けには、保険や補償内容が強化されたパッケージが用意されている場合もあり、安心して車両を利用できます。
ETC一体型カードで移動もスムーズに
カードタイプのTRBMにはETC機能付きのタイプもあり、高速道路利用時に現金精算や別途ETCカードの準備が不要です。車両にカードをセットするだけで、手間なく移動ができ、社用車と同様の利便性を実現できます。
部署・社員単位での管理に最適
TRBMカードは、部署や特定の社員に配布して管理する運用にも適しています。利用者ごとにカードを発行し、誰がいつ、どこでレンタカーを利用したのかを明確に記録できるため、社内のガバナンスやコスト管理にも役立ちます。
Web管理で予約・取消も簡単
会員専用のWeb管理画面を使えば、車両予約や取消がリアルタイムで行えます。急な予定変更にも柔軟に対応でき、出張や営業活動を止めることなく進行できます。予約履歴や利用明細も確認できるため、内部統制の観点でも安心です。
カードレスタイプのTRBMはどんな会社に最適？
カードレスタイプのTRBMは、社内の多部署にわたってレンタカーを利用する法人や、申請・承認をデジタルで完結させたい企業に適しています。物理カードを使わないことで、カードの紛失や貸し借りによる手間を省けるだけでなく、管理業務そのものの効率化が期待できます。
例えば、営業や出張が多い企業では、都度カードを貸し出す運用は煩雑になりがちです。カードレスタイプであれば、各社員が自身のIDで予約・利用できるため、管理者の負担が大幅に軽減されます。また、Web上の管理画面から予約履歴や利用状況を一元で把握でき、部署や社員ごとの利用実績を明確にすることができます。
さらに、スマートフォンやPCを使ったモバイル申請・承認にも対応しており、ペーパーレス化や在宅勤務とも相性が良いのが特徴です。経費精算の透明性を高めたい企業や、複数の拠点・部門を持つ中堅～大企業にとって、非常に実用的な選択肢となります。
BCC（ビジネスキャッシュカード）の特徴と注意点
BCC（ビジネスキャッシュカード）は、トヨタレンタカーでの利用に特化した法人向け会員カードです。TRBMカードのようなクレジット機能は備えていませんが、法人価格でのレンタカー利用が可能になるため、柔軟な経費処理を求める企業に適しています。
最大の特徴は、現金や既存の法人クレジットカードでの精算が可能な点です。これにより、経費の支払い方法を自社ルールに合わせて選択でき、すでに社内で使用している決済手段を変える必要がありません。経理処理を一本化する必要がない企業や、グループ会社ごとに精算管理を行っているケースにも向いています。
また、BCCはクレジット審査が不要なため、比較的スピーディーに発行できます。設立間もない法人や、与信枠を持ちたくない企業でも導入しやすいというメリットがあります。
一方で、利用状況の一元管理や請求の集約機能はないため、精算作業や領収書の管理は利用者個々に依存します。利用者が多い企業や、社用車の利用頻度が高い場合には、経理業務が煩雑になりやすい点には注意が必要です。
また、BCCを利用する場合でも、事前の法人会員登録は必須です。登録には書類の提出が必要で、登録完了までは数営業日かかる場合があります。利用を急ぐ際には、手続きのタイミングにも配慮が必要です。
BCCは「クレジット機能はいらないが、法人価格でレンタカーを使いたい」「自社の決済ルールを変えずに導入したい」といったニーズにフィットする選択肢です。一方で、利用者が複数に渡る場合や、社内での使用管理を厳密にしたい場合は、TRBMの方が適していることもあります。自社の業務フローに合わせた選定が求められます。
トヨタレンタカーの法人会員登録方法と導入ステップ
トヨタレンタカーの法人会員になることで、ビジネス用途でのレンタカー利用がよりスムーズかつ経済的になります。法人カード（TRBM・BCC）を導入するためには、以下のステップに沿って会員登録を進める必要があります。
必要書類と審査の流れ
法人会員登録にあたっては、以下の書類を準備する必要があります。
- 登記簿謄本（履歴事項全部証明書）
- 代表者印の押印がある申込書
- 利用担当者の情報（氏名・部署・連絡先など）
書類がそろったら、トヨタレンタカーの営業担当または公式サイトの「法人向け資料請求」ページから申し込みを行います。審査は通常1週間程度で完了し、審査通過後にTRBMまたはBCCの発行手続きへ進みます。
登録後にできること一覧
法人会員に登録することで、以下のようなメリットがあります。
- TRBMまたはBCCによる会員限定の特別料金でのレンタル
- Web管理画面での予約・利用履歴の確認と管理
- 利用明細の一括請求（TRBMのみ）
- 社員ごとの利用権限設定
- TRBMカードレスを選択すれば、カードの貸し借りなしでIDによる予約・利用が可能
リースとの違いにも注意
トヨタレンタカーの法人会員制度は「必要なときに短期間借りる」スタイルに最適です。一方、長期にわたって車両を固定的に利用する予定がある場合は、トヨタカーリースの利用を検討するのも一つの方法です。
リースとレンタルでは料金体系・契約期間・保険対応などが異なるため、導入前に社内の利用実態に合わせて選定することが重要です。
トヨタレンタカーを利用する法人が知っておきたい注意点
会員価格と通常料金の違いを正しく理解する
トヨタレンタカーの法人会員になると、通常よりも割安な「特別料金」が適用されますが、これはすべての車種・プランに一律ではありません。店舗や利用日時によっては一般価格と差が少ないケースもあり、割引率を事前に確認しておくことが重要です。また、会員価格はインターネット予約が前提となっている場合もあるため、電話予約時などは適用条件を再確認してください。
利用者が複数いる場合の管理体制を整える
社用車としてレンタカーを複数の社員が使う場合、誰が・いつ・どの車を使ったかを明確に管理する必要があります。特にカードレスタイプのTRBMを導入する場合は、社員ごとのID管理と承認フローの整備が必須です。誰でも自由に予約できる状態では、二重予約や不正利用が発生するリスクがあります。
紙の領収書を必要とする場合の対処
経費精算で紙の領収書を求められるケースもありますが、トヨタレンタカーのWeb予約やアプリ経由の場合、領収書の取得方法がオンラインに限定されることがあります。社内規程上、原本の紙が必要な場合は、店舗での対応可否を事前に確認しておくと安心です。
アプリ・Webの活用が必須なシーンがある
BCCカードやカードレスタイプのTRBMを導入する場合、予約・取消・利用状況の確認などはWeb管理画面または公式アプリの活用が前提となります。紙での申請・記録に慣れている企業では、運用をオンライン中心に移行するための社内調整が必要になることがあります。
長期利用と短期利用で最適な選択肢が変わる
数日間の短期利用が多い企業と、1週間以上の長期利用が多い企業とでは、選ぶべきカードタイプや契約方法が異なります。リースの方が割安になるケースもあるため、単に法人会員に申し込むだけでなく、月間の利用頻度・期間をもとに契約形態を再検討することが大切です。
まとめ｜法人カードでトヨタレンタカーをお得に賢く活用しよう
トヨタレンタカーを法人利用する際は、目的や運用体制に応じて「TRBMカード」または「BCCカード」を使い分けることで、経費精算の手間を減らし、コストも抑えることが可能です。
業務効率化を重視する企業には、Web管理が可能なカードレスタイプのTRBMが最適です。部署ごとの利用状況を見える化でき、カードの物理的な管理も不要になります。一方で、柔軟な支払い方法を維持したい場合には、クレジット機能を持たないBCCを活用すれば、他の法人カードや現金との併用もスムーズに行えます。
いずれのカードも、通常料金よりも割安な「法人会員価格」が適用され、全国1,100店舗以上のトヨタレンタカーを安心・効率的に利用できます。社用車や出張先での一時的な車両確保において、法人カードはコスト管理と実務負担の両面で強力な味方になります。自社の運用フローに合ったカードを選び、賢く導入しましょう。
